先日Evaは、北海道の八雲町中央に位置する「北里大学獣医学部附属フィールドサイエンスセンター八雲牧場」にお邪魔してまいりました。
北里大学獣医学部の寳示戸先生には、10月4日に議員会館で開催したEva主催のシンポジウムで、八雲牧場について短い時間ではありましたがお話しいただきました。この時のお話しを受け、自然の恵みを受けて育つ北里八雲牛と、環境と食、牛と人の健康を保持する循環型畜産の様子を実際に見て学ぶため、今回寳示戸先生に牧場をご案内いただきました。
生涯を通じ放牧と自給飼料100%で育てる八雲牧場は、デントコーンサイレージの栽培と給餌をやめ、牧草地の化学肥料・農薬の施肥を中止し、完全な有機的牛肉生産方式に移行し2009年には肉用牛で初めて有機JAS認証を取得しました。
八雲牧場はこれまで家畜福祉を意識してきたわけではなく、北里八雲牛の生産理念が放牧を中心とした飼養方法が合理的であり、それにより牛に快適な環境を与え、結果アニマルウェルフェアの視点で合致しました。だからこそ北里八雲牛がアニマルウェルフェア畜産の典型と言われている所以といえます。
ストレスなく健康に育つ畜産動物はどのような飼育環境なのか、そしてアニマルウェルフェア畜産の商品が、動物や人にとって大変高い価値があるということなどの情報が、流通から消費者まで圧倒的に足りていません。肉も牛乳などの乳製品も、大量生産・大量消費ではなく、良いものを少しづついただく、そういう風潮になっていくことがとても大事です。そしててアニマルウェルフェア畜産の商品が広く流通しやすい環境に変えていかなくてはいけません。と同時に、海外ではすでに禁止されている畜産動物の飼養方法の改善を、日本でも早急に訴えていく必要があります。
北里八雲牛は東都生協さんで購入可能です