大阪府寝屋川市 犬の繁殖業者 刑事事件

 大阪府寝屋川市 犬の繁殖業者を虐待罪で刑事告発

アンモニア臭が基準値を超える劣悪な環境で犬を飼育していた動物愛護法違反の疑いと、犬の登録申請をしなかった狂犬病予防法違反の疑い 大阪地検が不起訴処分
(2023年6月)

アンモニア臭が基準値を超える劣悪な環境で犬を飼育していた動物愛護法違反の疑いと、犬の登録申請をしなかった狂犬病予防法違反の疑いで追送検(3月15日)されていた件ですが、大阪地検は6月9日付でいずれも不起訴処分としました。

動愛法違反の疑いに関しては、健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束はしていたものの、犬が衰弱していなかった点、また排せつ物が堆積していなかった点等から、嫌疑不十分による不起訴処分。

狂犬病予防法違反の疑いに関しては、登録はしていないが予防接種は受けさせていたことから、狂犬病予防法の保護法益である公衆衛生の観点においては、高度な危険があるとまでは言えない、という判断で、起訴猶予による不起訴処分となりました。

まず、狂犬病予防法違反に関してですが、この件に関しては寝屋川市の保健所に問い合わせをしておりましたが「特定の個人の財産に関する情報であるため開示できない」との事で証拠を押さえることができない状況でしたが、今回やっと「犬の登録申請をしていなかった」ことが明らかとなりました。犬の登録申請を怠った場合は次のような罰則が定められています。

狂犬病予防法 第五章 罰則
第二十七条 次の各号の一に該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。
 第四条の規定に違反して(第二条第二項の規定により準用した場合における動物を含む。以下この条において同じ。)の登録の申請をせず、鑑札を犬に着けず、又は届出をしなかつた者

違反していたにも関わらず検察が起訴猶予としたことは大変遺憾です。また、プロとして大阪府に登録している第一種動物取扱業者にも関わらず、犬の登録を怠っていた事業者は勿論のこと、それを見逃していた保健所はどのような見解を述べるのでしょうか。共に猛省して頂きたいと思います。

また、動愛法第44条2項では、健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束したことによって、個体が「衰弱」したことを立証できなければ虐待罪が成立しない、という条文構成になっています。

動物愛護管理法 第六章 罰則
第四十四条
愛護動物に対し、みだりに、その身体に外傷が生ずるおそれのある暴行を加え、又はそのおそれのある行為をさせること、みだりに、給餌若しくは給水をやめ、酷使し、その健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束し、又は飼養密度が著しく適正を欠いた状態で愛護動物を飼養し若しくは保管することにより衰弱させること、自己の飼養し、又は保管する愛護動物であつて疾病にかかり、又は負傷したものの適切な保護を行わないこと、排せつ物の堆積した施設又は他の愛護動物の死体が放置された施設であつて自己の管理するものにおいて飼養し、又は保管することその他の虐待を行つた者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

この条文構成には以前より私たちも懸念を抱いておりました。今回、家宅捜索に入った段階での証拠が重要であった、とのことでしたが、現場での視診や触診だけで衰弱しているかどうか判断できるのか疑問ですし、ましてやその場で立証など困難だと思います。
今回は警察の立件でしたが、同じような案件で告発する場合、個体が衰弱している事まで私たちが立証しなければならないのです。とてもハードルが高く困難な事だと
感じます
また、それを逆手に、行政はどんなに劣悪な状況に置かれた動物たちを見ても「虐待はなかった」とし、何もなかったこととして片づけてしまう事例が散見します。
次期法改正では、個体の衰弱に関わらず、劣悪な環境で飼育されていること自体を「虐待」と定義付けられるよう、改正していきたいと強く考えております。

                                 (2023年10月3日)

犬の劣悪繁殖業者 廃業
(2023年3月)

寝屋川の施設及び門真の施設共に3月22日付で廃業となりました。

犬の劣悪繁殖業者 動物愛護管理法違反等の疑いで追送検
(2023年3月)

アンモニア臭が基準値を超える劣悪な環境で犬を飼育していた動物愛護法違反の疑いと、犬の登録申請をしなかった狂犬病予防法違反の疑いの2件で、3月15日、追送検されました。

報道によりますと、昨年(2022年)11月、寝屋川市の施設でアンモニア臭が著しく強い劣悪な環境で犬209匹を飼育し虐待した疑い。
府警が施設の捜索の際に臭いを測定したところ、悪臭防止法で定める規制基準の上限5ppmをはるかに超える40~130ppmが記録されたということでした。

悪臭の中で動物を飼育していたことを「虐待」とみなし立件するのは非常に珍しい、と報道でも伝えらえておりましたが、私たちもその一報を耳にした時は大変驚きました。と同時に、施設にいた209頭すべての犬に対しての虐待、とみなして頂けたことは、とても大きな一歩であると思っております。

施設の状況を元従業員の方にお聞きした際に「余りの臭気に気分を悪くし早退するスタッフもいた」との証言がありましたし、先日の上田府議の一般質問の中でも「臭いが激臭で今まで感じたことのない臭い。 多頭崩壊の現場に慣れている方でも喉が痛い、目が痛い、という状態で数時間滞在するのは 考えられないような状況。」と述べられていました。

また、犬の登録についても、寝屋川市に確認をしておりましたが「特定の個人の財産に関する情報であるため開示できない」との事で私共が証拠を押さえることはこれ以上できない状況でしたので、登録の件も是非明らかにしていただきたいと思っています。

3月2日、大阪府議会にて上田健二府議(維新)が、寝屋川市の動物取扱業者が動物愛護管理法違反で逮捕されたことを受け、府の対応はどうだったのか、一般質問をしてくださいました。

府は、この業者に対し、令和3年(2021年)度に6回、令和4年(2022年)度になんと15回も立ち入り調査を行っていましたが「虐待の疑いは確認できなかった」という認識であったと。(更に遡ると、平成24年(2012年)からの立入調査の回数は62回、内不在が18回、中を確認できたのは44回。)

府は、極度に痩せた個体がいないか、身体に糞尿がついていないか、爪が異常に伸びていないかを目視で確認し、状況に応じて触診を行っている、と述べたが、元従業員の方の証言では触診をしている所は見たことがないとの事であった。

また、この施設で死亡した犬の数が、令和2年(2020年)度が6頭であるのに対し、令和3年(2021年)度が46頭に急増。令和4年(2022年)4月~6月までの3ヶ月間で17頭も報告されており、府もそれを認識していたが、それでも「虐待の疑いは確認できなかった」と。これは余りにも無責任な答弁だと私共も感じました。

また、寝屋川の施設には犬が約200頭いたため、従業員数は7名以上でなければならないところ、令和4年(2022年)6月からの13回の立入調査時、一度も既定の人数を満たしていなかったと言います。員数の算出方法は1週間単位となりますが、それでも立入り時の13回、毎回3,4名というのは、おかしい、と思うのが普通の感覚だと思います。

また、2月8日の逮捕後の週末、現場に犬を心配する大勢の人が集まり、朝からその対応を上田府議、警察がしてくださいました。しかし、府の職員が現場に着いたのは昼の12時ごろ、中を見て「おおむね健康状態に問題はない」とし帰ってしまったといいます。その日はお世話できる者が1人しかおらず、その状況も認識した上で帰ってしまったと。何故帰ってしまったのか、職員の行動が未だに理解できない。

吉村知事からは「動物愛護課の対応は不十分であった。」と認めた上で「所有権の放棄を積極的に強くさらに働きかけをしていく。」「法に違反する不適切な事業者に対しては厳しい姿勢で対応していく。」と述べられました。

動物愛護行政は、不適切な業者に「登録の取消」をすることが出来ます。しかしながら、全国的に見ても、行政処分として登録の取消を行った自治体は全国的にもありません。これが今の日本の現状です。

書類だけ揃っていれば簡単に登録が出来てしまう制度の見直しと、動物愛護行政を担う職員の意識改革、とにかくもう一度「動物虐待とは何か」について捉え直して頂きたい。今後の大阪府の動物愛護行政の明暗は、職員一人一人の本気度に掛かっていると思います。私共としても大阪府と連携をとり今後の改善に向け話し合いを続けていきます。

犬の劣悪繁殖業者 動物愛護管理法違反で起訴(2023年3月)

犬の劣悪繁殖業者 動物愛護管理法違反で起訴

大阪府寝屋川市の犬の繁殖業者が、本日3月1日付で起訴(公判請求)されましたのでご報告いたします。

昨日2月28日にEvaは、弁護士の先生と共に、被疑者に対する厳重処分の要望等の為、大阪地方検察庁へ行ってまいりました。

「起訴(公判請求)」となりましたので、今後は法廷の場で裁かれる事になります。
長い間劣悪な環境の中で動物たちを苦しめていたことは事実です。厳正なる裁判を望みます。

(2023年3月1日)

犬の劣悪繁殖業者 動物愛護管理法違反の疑いで逮捕(2023年2月)

犬の劣悪繁殖業者 動物愛護管理法違反の疑いで逮捕

当協会が刑事告発していた、大阪府寝屋川市の犬の劣悪繁殖業者が、動物愛護管理法違反容疑で2月8日逮捕されました。報道によりますと、2016年6月~2022年10月にかけて飼育していた犬10匹が病気やけがをしたにも関わらず、適切な保護を受けられず虐待された疑いがもたれている、という事です。

【告発の経緯】
2021年、寝屋川市で繁殖業を営む事業者の不適正飼養に関するご相談が、元従業員の方含め数回いただき、これを受け、当協会からも大阪府動物愛護管理センターへ情報の提供並びに改善指導のお願い、また今後の対応についてご連絡を致しました。

その際「引き続き改善に向け対応していく」旨のお返事を頂きましたので、通報者様と連携を取りながら状況を見守っておりましたが、一向に改善する兆しがなかったため2022年11月10日付で動物愛護管理法第442項違反(動物虐待罪)で告発をし、本日2023年2月8日犬10頭を劣悪な環境で飼育し、病気になっても適切な保護を行わなかったとして、大阪府警にオーナーの女性が逮捕されました。

当協会が把握している繁殖業者の実態】
約10年前より繁殖業を営んでいたこの事業者は、2階建ての施設に少なくとも350頭もの犬を飼育。多くの金網ケージに犬が2、3頭ずつ入れられており、それが3段に積み重ねられ、所狭しと並べられていた。

これだけの数の犬達を数名の従業員でお世話していたため、全ての犬に給餌が行きわたらず、成犬は1日ご飯なしの日もあったという。1日一回の食事に興奮しケージの扉を開けた瞬間に飛び出し落下。そのまま亡くなってしまった犬もいた。
飼養環境の悪さや人手が足りない事などが原因で、子犬が産まれても相当数が命を落としていたと言う。

夏場の部屋の温度は30度、湿度は80%前後で、臭気は目に染みるレベル。余りの暑さと臭いに体調を崩す従業員もおり、臭気と犬の鳴き声は建物の外からも確認ができた。

また、犬は何らかの疾病を抱えており、耳ダニは勿論、膝蓋骨脱臼(パテラ)や、重い心臓病を患いながらも繁殖犬として使用されていた。疾病があっても病院には連れて行かず、引き取った方が高額な医療費を負担するという状況だった。

このような劣悪な環境下で、到底管理ができない大量の犬を繁殖させ、治療が必要な犬に適切に治療を受けさせず、疾病を悪化させ、中には命を落とした犬もいた。このような杜撰な管理は、生命身体に関する福祉的配慮や「命あるもの」という認識に欠け、商売のための商品としか動物たちを見ていない証拠である。

また、動物愛護行政も頻繁に指導に行っていたが、改善させることが出来なかった。
立入りの際、動物の状態を確認していない、動物に触れていない、という元従業員からの証言もあったが、動物の不適正飼養の通報が来た場合、まず動物の健康状態を確認するのが基本ではないだろうか。
もし、適切な指導改善が出来ていたら、今回のように逮捕まで至らなかったはずであり、動物たちの苦しみをここまで長く引き伸ばすことはなかったのだ。
命を落とした動物は二度と生き返らない。指導に行ったという既成事実だけを重ねるのではなく通報の後ろには、福祉が守られず不快な環境の中、多くの動物が痛みや苦しみに耐えるしかない状況があるということを、理解していただきたい。

写真1

写真2

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(関係者提供写真)

告発状提出・受理(2022年11月)

大阪府寝屋川市 犬の繁殖事業者を虐待罪で刑事告発

昨年(2021年)9月及び12月に、大阪府寝屋川市にある犬の繁殖事業者の不適正飼養について当協会にご相談がございました。

これを受け、同年12月に大阪府動物愛護管理センターへ情報の提供と今後の対応について問い合わせを致しましたが、事態が改善することなく1年が過ぎようとしている事を重く受け止め、動物愛護管理法違反(同法第44条2項、愛護動物虐待罪)にて告発をし、11月10日付で受理されました。

今後は綿密な捜査と厳格な処分を望みます。

(2022年11月18日)

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