数値規制への要望(2020年8月)

2020年8月数値規制の要望

嘆願書の送付のご協力誠にありがとうございました!

今後10月から11月にかけて省令案のパブリックコメントが実施されます。是非パブリックコメントで皆様から意見を送ってください。引き続きよろしくお願いいたします。

7月10日に環境省の動物の適正な飼養管理方法に関する検討会(第6回)が開催され、「飼養管理基準として定める事項(案)」が示されました。ここまで踏み込んだ内容にまとめていただけたのは、ひとえに小泉環境大臣はじめ、環境省の皆さま方の並々ならぬご尽力の賜物と御礼申し上げます。そのまとめていただいた基準案に対し、当協会からいくつかご要望させていただきます。

1.対象範囲
「犬猫等販売業(ブリーダー・ペットショップ)に限らず、展示業(猫カフェ)等にも適用する。」

環境省から、対象となる業態について、例えばトリミングサロンやペットホテル等の保管や訓練の事業者においては、短期間であるとともに飼い主がいることから、どの業態まで拡大するかきめ細かく見ていく必要がある。とのことでしたが、ブリーダーやペットショップ、猫カフェ以外の事業体でも適正に保管されていないことが散見することから、第一種動物取扱業者に関しては、その対象事業体を全てと要望いたします。

2.基準①飼養施設の設備構造・規模、管理 関係

「運動スペース分離型(ケージ飼育等)の基準(犬)」

日常的な動作としてケージの高さは体高の2倍としていますが、体高には首から頭頂、後肢の長さが含まれていないため、前肢を上げ後肢で自然に立ち上がることは不可能ですし、犬種によっては脚力の高い犬もいます。日常的な動作として跳躍することも考えると、そもそもケージに高さを設けること自体無理があります。
適正管理をしているブリーダーや各地の動物愛護センターでは、ケージではなく、犬舎に収容しています。
また13時間は運動スペースに出すことが義務付けられていますが、出していることを確認することが出来ないため実行性がなく、体高の2倍のケージに入れたままとなり、従来通りの閉じ込め飼育から改善することはありません。よって犬舎仕様とし、高さは天井まで、もしくは天井板を設置しないでいただきたいです。

3.基準①飼養施設の設備構造・規模、管理 関係
「運動スペース一体型(平飼い等)の基準(犬)」

案では、2頭まで飼養可のため、議連案より1頭当たりの飼養面積が狭くなっています。また2頭まで可なので、そこで例えば、片方の犬が出産した場合、大きなストレスがかかります。
1日の大半の時間をケージの中で過ごさせる場合は、議連案の一体型のように、1頭を基準とした「ケージ内に必要な設備から導き出す場合」にある体長・体高から算定した空間の中に、寝床や食事場、排泄場所、運動スペースを設けていただきたいです。
また一体型の場合も、環境省案の高さは体高の2倍です。体高の何倍ではなく、こちらも分離型同様犬舎仕様にしていただきたいです。

4.「運動スペース一体型(平飼い等)の基準(猫)」

平均的な猫の体高は25cmです。猫は、縦の(立体的)運動が大事なことから、体高の4倍の高さ(100cm)では低すぎます。ケージ飼育を前提とするならば、分離型・一体型と分ける必要もなく棚板が3枚設置できる高さ180cmのケージを要望いたします。

5.基準②従業員の員数 関係

販売犬は20頭、販売猫は30頭では多すぎます。実店舗からの訴えとして販売の場合、60頭を3名(1人20頭)では、健康管理も満足に出来ず何頭も死亡させたという訴えが多数あります。販売は、単純に動物の給餌給水、排泄の世話だけではなく、基本的に接客して販売する業務です。売買契約時は1件1時間半~2時間の時間を有し、その他は、ほぼ客への売り込みに追われることから、8時間(480分)のうち、半分の4時間は接客業務とし、半分の時間で生体管理であるならば、240分÷24分(1頭当たりの世話時間)=10頭/1名でなければ、現状を変えることはできません。

繁殖犬猫も同様に、適切な管理をしている柴犬のブリーダーは、40頭を5名で管理していました(8頭/1名)また繁殖の場合、子犬子猫の世話もあることから、多くても1名で10頭まででなければ適正飼育にはなりません。

6.基準③飼養・保管の環境管理 関係

温度・湿度は一律に数値を定めないとありますが、中にはエアコンもない施設もあり夏は熱中症、冬は凍死する動物もいます。曖昧な表現ではなく最低温度と最高温度は定めていただきたいです。

7.基準⑥繁殖回数・方法 関係

初回発情の交配は体が未発達なことから外す
生涯3産、5歳まで
そもそも成立した法律21条2項の6号には「動物を繁殖の用に供することができる回数~」と記されています。環境省案の「6歳まで」というのは回数ではないため、法律に基づく内容にしていただきたいです。
また出産回数が増えれば増えるほど、出産後の授乳によりカルシウムの吸収が起こり、歯がボロボロの状態で歯石も付きやすくなり歯周炎が一気に悪化します。そして同様に、骨からもカルシウムの吸収がおこり、結果、骨折やヒビが入りやすくなり、犬種によってはヘルニアなどを発症しやすくなります。
低カルシウムは、妊娠前後の栄養管理の問題で必要量のカロリーやカルシウムを与えていたら不足することもありませんが、劣悪な管理をする繁殖場では栄養やカルシウム補給などは見込めません。
また繁殖犬は、ケージでの閉じ込め飼育が一般的ですので、仮に初回の発情を外し、6歳までとしたら、約7年もの間、毎日ケージに入れられた状態になります。
分離型の場合、1日3時間以上運動スペースに出すことが義務づけとなりますが、出していることを確認できないことから実効性は伴いません。
適正に繁殖させているブリーダーや、その獣医師に聞く平均出産年齢と回数は、5歳までに3産とのことから、引退後、健康に過ごすことができる生活を考慮し、身体に負担がかからない生涯3産、5歳までとしていただきたいです。
・帝王切開は、胎児への影響を考え麻酔の深度を上げられないため、母体は痛みを伴います。また術後すぐに初乳を飲ませなければならず、その後すぐに子育てが開始されることを考えると、少なければ少ないほど良いです。また一度帝王切開した犬は、癒着がひどく、それ以降の帝王切開や繁殖犬リタイア後の不妊手術は、腸や腸間膜が癒着しているため、非常に困難を極めます。帝王切開で出産させる回数に関しては、3回まで産ませて良いではなく、個体によってさまざまですのでこの限りではありません。

環境省に皆さまの声を届けてください!(終了)

飼養管理基準として定める事項(案)に対しての嘆願書

飼養管理基準として定める事項(案)に対しての嘆願書

★嘆願書の郵送は終了しました。★
ご協力ありがとうございました。今後はパブリックコメントで意見を送りましょう!

当協会Evaは、6月4日に環境省小泉進次郎大臣にお時間をいただき、皆さまにご賛同いただいたネット署名「適正な指導監視につながる具体的な数値基準を」と、数値規制に関する要望書を持参し、陳情に上がりました。
ですが、7月10日に環境省から出された案では、現状を変えることが難しく、再度環境大臣に要望いたします。
8月12日には第7回目の検討会が開催され、そして秋には中央環境審議会動物愛護部会にて審議、その後パブリックコメントが実施されます。パブコメまで諦めず、環境省に訴えていきたいと思いますので、どうかみなさま、お力添えいただけないでしょうか。

ご賛同下さる方は、下記から嘆願書をダウンロードし、ご署名してください。そして環境省の動物愛護室に直接郵送お願いいたします。自作の嘆願書でも構いません。
みなさまのご協力、どうぞ宜しくお願い致します。
※要望は、必ず郵送でお願いします。直接のお電話での問い合わせはお控えください。

環境省 自然環境局 総務課 動物愛護管理室
〒100-8975 東京都千代田区霞が関1-2-2

2020年6月環境省小泉大臣面談の様子はこちら
http://www.eva.or.jp/koizumi_env

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