北里大学フィールドサイエンスセンター八雲牧場視察

2018年10月 北里大学 獣医学部 附属フィールドサイエンスセンター
「八雲牧場」視察レポート

八雲牧場

 先日Evaは、北海道の八雲町中央に位置する「北里大学獣医学部附属フィールドサイエンスセンター八雲牧場」にお邪魔してまいりました。

 北里大学獣医学部の寳示戸先生には、104日に議員会館で開催したEva主催のシンポジウムで、八雲牧場について短い時間ではありましたがお話しいただきました。この時のお話しを受け、自然の恵みを受けて育つ北里八雲牛と、環境と食、牛と人の健康を保持する循環型畜産の様子を実際に見て学ぶため、今回寳示戸先生に牧場をご案内いただきました。

八雲牧場

母牛のお腹の下に潜り込みお乳を飲む仔牛

八雲牧場は、5月から10月まで広大な牧草地に牛を放牧します。その間牛は、ストレスの少ない環境で気の向くままに移動しながら牧草のみを食べ育ちます。子牛は約6か月まで母牛と一緒に過ごし、好きなだけお乳を飲んで育ちます。

 そして牧草地が雪に覆われる冬季は、牛は清潔な牛舎に入ります。牛舎の中であっても餌は夏季に刈り取った牧草産の牧草を発酵させた飼料が与えられます。

資源循環型畜産

 八雲牧場は、年間通じ購入飼料はゼロ。牧草を食べる⇒排泄⇒排泄物を地中の微生物が分解⇒草地の養分⇒草が茂る⇒牧草を食べる…といった資源循環型畜産です。

 視察に行った10月の半ばは、順々に牛を牛舎に入れる時期で、放牧されている牛群と牛舎内で自由に歩いたり、寝そべっている牛と両方を見ることができました。

クローバーの根

クローバーの根
クローバーが光合成で有機物を作ります。この時クローバーが取り込んだ窒素が、牧草に移譲され牧草地全体の生産性が維持されます。

グラスサイレージ

自家産グラスサイレージ
牛舎の中は、糞尿の臭いは全くなく、発酵したサイレージのお漬物のような匂いに包まれています。

ラップサイレージ

白いラップサイレージ
牛本来の食べ物ではない輸入穀物飼料は与えず自前の牧草だけで育てます。 ラップサイレージの中で牧草が発酵し、栄養豊富なサイレージ(発酵飼料)が出来上がります。

堆肥

自家産堆肥
堆肥を機械でかき混ぜ中に空気を入れます。そうすることで中にある微生物が活発になり、堆肥の発酵が促進されます。堆肥は熱を出し湯気がでます。触ると温かく臭いはありません。

牛舎内

牛舎内
牛舎には木くずが敷き詰められており、牛ふんと木くずの混ざったものが堆肥舎に運ばれ、発酵します。

堆肥の散布

堆肥の散布
できあがった堆肥は、すべて牧草地全体に肥料として撒かれます。草地にはランダムに撒いた後がありました。

牛舎内

 舎飼期でも繋ぎ飼いはせず、十分なスペースで自由に動き回ります。座ったり走ったり人に興味があるのか近づいて来る牛もいました。

 繁殖方法は、人工授精と自然交配です。放牧地や牛舎内で歩いて育てられるため足腰が強く分娩介助の必要はほとんどないそうです。草地では、人から見えずらいところを選び、そこでそっと出産します。

 生涯を通じ放牧と自給飼料100%で育てる八雲牧場は、デントコーンサイレージの栽培と給餌をやめ、牧草地の化学肥料・農薬の施肥を中止し、完全な有機的牛肉生産方式に移行し2009年には肉用牛で初めて有機JAS認証を取得しました。

 八雲牧場はこれまで家畜福祉を意識してきたわけではなく、北里八雲牛の生産理念が放牧を中心とした飼養方法が合理的であり、それにより牛に快適な環境を与え、結果アニマルウェルフェアの視点で合致しました。だからこそ北里八雲牛がアニマルウェルフェア畜産の典型と言われている所以といえます。

 ストレスなく健康に育つ畜産動物はどのような飼育環境なのか、そしてアニマルウェルフェア畜産の商品が、動物や人にとって大変高い価値があるということなどの情報が、流通から消費者まで圧倒的に足りていません。肉も牛乳などの乳製品も、大量生産・大量消費ではなく、良いものを少しづついただく、そういう風潮になっていくことがとても大事です。そしてアニマルウェルフェア畜産の商品が広く流通しやすい環境に変えていかなくてはいけません。と同時に、海外ではすでに禁止されている畜産動物の飼養方法の改善を、日本でも早急に訴えていく必要があります。

北里八雲牛は東都生協さんで購入可能です

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