幻のコーヒー「コピ・ルアク」の取扱中止アクション(2022年9月)

 幻のコーヒー「コピ・ルアク」の取扱中止アクション

みなさんは幻のコーヒーと言われている「コピ・ルアク」をご存知ですか?ジャコウネコが食べたコーヒーの実が、その体内で発酵し、糞となり未消化で排泄されるのですが、そのコーヒー豆に香りが増すという希少性から「世界一のコーヒー」や「幻のコーヒー」といわれ高級珈琲豆として取引きされています。日本でも取扱い店舗で飲めますし、多くの通販サイトで購入もできます。

ですが、このコーヒー豆を排泄させるために多くのジャコウネコが劣悪な管理下で飼育されています。このたび動物の権利団体であるPETAAsiaからインドネシアのコピ・ルアク農場における調査レポートをいただきましたのでご紹介いたします。

PETAAsia 動画(日本語版)

PETAの調査報告

PETAの調査員がコピ・ルアク農場を訪ねたところ、どの農場でも驚くべき残酷な行為が行われていました。人間を恐れる夜行性のジャコウネコが安心して眠れる暗い寝床もない小さな金網の檻に閉じ込められ、常に人間との望まない接触にさらされていました。檻の中は糞や腐った実などの汚物であふれ、暑さの中、ひたすら喘いでいました。多くのジャコウネコには、ぐるぐる歩き回ったり、自身を噛んだりするなど、極度の精神的苦痛を感じている症状が見られました。血まみれの傷が開いているものもいましたが、動物病院での治療を受けていないようでした。少なくとも1匹は目が見えないようでした。 

 自由、運動、空間、そして本物の食べ物まで、彼らにとって自然で重要なものすべてを奪われ、逃げ場がないため、ひたすらぐるぐる回り、発狂しています。夜行性の動物は、昼間はひっそりとした樹冠の中で休むのが好きです。しかし、農場では、主に屋外の檻の中で飼われ、暗くて静かな場所で眠ることはほとんどなく、彼らの惨めさと健康状態の悪さに拍車をかけています。ジャコウネコは、農場の利益を最大化するために、コーヒーの実を大量に使った不健康な食事を与えられていました。栄養失調で体毛が抜けてしまう者も少なくありません。 

 PETAに寄せられたメッセージの中で、ある企業は「100%野生から倫理的に調達されたコピ・ルアクコーヒー」だけを販売していると主張しています。コピ・ルアクコーヒーの販売者は、一般的に同様の謳い文句を掲げていますが、業界関係者は、このコーヒーを生産するのに十分な量の野生のジャコウネコの排泄物を集めることは、ほぼ不可能であるとPETA調査員に語っています。 

 PETAアジアの調査員は、フィリピンとインドネシアのシベット・コーヒー農園を訪れ、「天然または野生由来」の主張について労働者に質問しました。ある生産者は「マーケティングのため」と断言し、コーヒーの実が入っているかどうかわからないジャコウネコの糞を探してジャングルを歩き回るのは現実的でないと述べました。「自然のものはあまりない」「ジャングルで採集しても年間20kgが限度」と断言する生産者もいます。この量は、ジャコウネコを金網に閉じ込め、コーヒーの実を強制的に食べさせ年間400kgを生産する農場に比べれば微々たるものです。 消費者の需要に応えるためにジャングルでジャコウネコの糞を探すことは、生産者にとって利益にならないことは、常識的に考えればわかることです。 

 また、生産者が "野生由来 "と表示するのは簡単で、買い手はそのことに気づかないという話も聞いています。ある生産者は、ジャングルで希にジャコウネコの糞に出くわすと、檻飼育のジャコウネコのコーヒーに少量混ぜ、「もちろん我々のコピ・ルアクは野生由来のコピ・ルアクだと言っていい」などと主張してきます。 この業界は、背後にある残酷さを隠すために、嘘とごまかしで成り立っているのです。 

 ジャコウネコが何年も狭い檻の中で正気を失うまで幽閉され、病気や怪我の治療を受けられず、コーヒーの実ばかりの不自然な食事を強いられ、栄養失調で苦しむことがないようにするための唯一の方法は、コピ・ルアクを完全に断つことです。 

 また、ジャコウネコは「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」で保護されている種であるにもかかわらず、通常生後6ヶ月頃に捕獲され、コピ・ルアクを生産するために、コーヒーの実以外ほとんど何も食べさせてもらえません。さらに、動物を自らの排泄物だらけの檻に閉じ込め、ストレスを与えることは、人獣共通感染症の温床になり、致死率15%と言われるSARSは、ジャコウネコから人間に感染が広がりました。  

【調査映像のリンク 】

 PETAのメールアクションはこちらから▶

RETA調査員による調査結果にあるように、ジャコウネコが置かれている飼育環境の多くは、あらゆる人間の飼育下にある動物の福祉の指標としてOIE(国際獣疫事務局)等、国際的に認められている5つの自由(1飢え・渇きからの自由、2不快からの自由、3痛み・負傷・病気からの自由、4本来の行動がとれる自由、5恐怖・抑圧からの自由)が遵守されていません。

動物の福祉が守られているかどうかは、その種の動物本来の行動欲求が満たされているか、その種が自然に生活できる環境になっているか等で、動物の物理的・精神的苦痛を推しそれに対し取り除くことは、われわれ人間の果たすべき責務です。

また日本には、「動物の愛護及び管理に関する法律」の中に、動物虐待の罰則も定められています。同法44条二項には、不適正飼養いわゆるネグレクト、適正な給餌給水が行われないことや疾病や負傷に対し適切な医療保護を行わないこと、排せつ物の堆積や他の愛護動物の死体が放置された施設に置かないことなどが定められ、日本国内の施設であれば、紛れもない動物愛護法違反です。

食・環境・心理面・行動といったジャコウネコのニーズを全く無視した飼育を止めさせるには、私達消費者が"正しい消費行動"を行うことです。
当協会Evaからも日本国内の販売業者に取扱い中止のメールをお送りしました。どうか今後「コピ・ルアク」を扱わないよう切望します。

PETA Investigates Bali's Kopi Luwak Coffee Industry(https://www.petaasia.com/features/kopi-luwak-civet-coffee-bali-indonesia-investigation/)

PETA Investigates Bali's Kopi Luwak Coffee Industry

PETA Investigates Bali's Kopi Luwak Coffee Industry

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(2022/9/6)

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