岡山発、生体販売から保護動物譲渡事業へ 未来のペットショップ(2016年1月)

2016年1月岡山発、生体販売から保護動物譲渡事業へ 
未来のペットショップ

岡山ペットショップ杉本彩視察風景

シュシュ澤木店長との対談

2016年の年明け早々に、Evaは岡山のペットショップ「シュシュ」さんを視察させていただきました。シュシュさんは、2015年1月に生体販売を辞め、その後店舗を地元岡山の愛護団体「NPO法人 犬猫愛護会 わんぱーく」の支部として登録、店内の改装を経て同年4月より保護犬の譲渡活動を行っています。

シュシュさんは、約10年前に物販のみの店舗を構えてから半年後に生体を扱うようになり、その後約9年間店頭で生体販売をおこなってきました。仕入れも含め生体販売は、テナント3件に委託する業務形態で行い、犬の管理はテナントの店員がおこなっていたそうです。やはり店頭では幼齢ゆえに病気にかかりやすく低血糖の子が多かったそうです。

そんな中、岡山県内の動物愛護団体「NPO法人 犬猫愛護会 わんぱーく」の茶本代表と知り合い、わんぱーくさんの活動内容や保健所・愛護センターの現状、また殺処分問題について話しを聞く機会が増え、少しずつ保護犬・保護猫について考える時間が多くなっていきました。
そこからシュシュさんは、どこでも行っている生体販売というビジネススタイルではないものを模索し、それにはこれからどのようにしていくべきか考えました。新しい飼い主を求めている保護動物と、一方で犬や猫を新しい家族としてお迎えしたい人がいる、シュシュさんがそこの接点になるという結論を出すことに、さほど時間はかかりませんでした。

現在の岡山の保護動物の状況(以下わんぱーくさんより)
 

動物愛護法が改正され、行政への持込み犬猫について行政が引き取り拒否をできるようになったため、収容される犬猫の頭数自体は減っています。しかし、引き取り拒否された飼い主が、その後きちんと飼養しているか遺棄しているかは不明。遺棄につながるケースも少なからずあると思われます。
また、猫については、まだまだ放し飼いが多く、病気の感染、事故等が多くみられ、飼い主の認識の甘さゆえに犠牲になっている猫が沢山います。犬は、雑種でも室内飼いするケースも増えてきましたが、まだまだ庭先に繋ぎ番犬という考え方の飼い主もいます。
また山には野犬がいるところも多く、野犬の子犬を見つけた人が、行政に通報し行政が引き取りに行き、わんぱーくに保護依頼がきます。ミルク飲みの子犬が今も続々とわんぱーくに入所し、預かりボランティアさんの自宅で育てている状況です。

シュシュのような預かり施設がもっと増えれば、もっと多くの子たちを救えるので、ペットショップのオーナーが認識を改め形態を変えてもらえることを切に願うばかりです。

岡山ペットショップ杉本彩視察

元々シュシュさんはペットショップなので、譲渡基準が甘いのではと思われることもありますが、譲渡基準はわんぱーくさんに準じています。中には、首輪とリードを持ってきて「犬をタダでもらえるんでしょ。」とか、犬と散歩が出来るから来たという人もいます。そういう方には理由を説明しお断りします。何度も店舗に通っていただき、真剣にその子をお迎えする覚悟のある人にしか譲りません。一度救われた命を再び危険な目にあわせないよう、また辛い経験をした犬たちに二度と同じ思いをさせないためにも当然の判断でしょう。

岡山ペットショップ杉本彩視察

わんぱーくのみなさんと

シュシュさんは、生体販売に使っていた18部屋あったスペースを、4部屋分の成犬で使える広さにリフォームしました。また生体販売を辞めたことで減少した売り上げは、多少の額ですが現在ネット通販で補っています。
それでもシュシュさんがこの活動に取り組む意義とは、「業界の内側から生体販売を辞め、里親探しにシフトした店舗が後にも現れること、そして愛護団体の譲渡会が日曜に集中する中で、民間店舗に保護犬がいることで平日でも興味を持ちご来店いただけること、そして譲渡後も長きに渡りショップを利用したり、情報交換したり、保護犬のその後の幸せな姿を発信することにより、保護動物の存在を知るってもらえること。」だと言います。これらは、民間のショッブだからこそ実現できる取り組みだと思います。

また何より全国から応援の声が続々と寄せられます。売上げは減りましたが、その応援が原動力になりスタッフのモチベーションもあがります。そして店舗として成功すれば、あとからシュシュを真似する店舗もきっとあるはず。今こそ業界全体が事業方針をシフトチェンジするタイミングなのかも知れません。

岡山ペットショップ杉本彩視察

生体販売をやめ、売るのではなくセンターから引き取り地元の方々に里親になっていただく。
そこで築くコミュニティが、新しい販路やつながりにもなるでしょう。そんなシュシュさんのような「未来のペットショップ」は、もうすでに始まっています。

この素晴らしい取り組みこそ全国に広まるべきとEvaは心から応援いたします。

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