「改正動物愛護管理法を考えるシンポジウム2018」レポート(2018年10月)

2018年10月「改正動物愛護管理法を考えるシンポジウム」

改正動物愛護管理法を考えるシンポジウム2018

10月4日Eva主催、犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟協力で「改正動物愛護管理法を考えるシンポジウム2018」を行いました。今回は、8週齢規制や飼養施設の数値規制、取締りの強化、また動物虐待などについて、事例を交え現実的かつ実効的な法改正に向けて議論を行いました。

第2部「パネルディスカッション」

開会挨拶

Eva理事長杉本彩

Eva理事長 杉本彩

今年は5年に一度の大切な法改正の年です。現在超党派議員連盟のプロジェクトチーム(PT)の条文化作業も始まっており改正への準備も半ばを迎えております。当協会も昨年3月から継続して開催されている議連PTから引き続き条文化作業にも参加し、様々な意見を述べさせて頂いています。今日は、改めて動物を取り巻く問題点を皆さまと共有し、今後どのようなかたちで法改正が行われていくべきかを議論していきたいと思います。動愛法は議員立法ですので議員の先生方には全力でご尽力いただきたいと思っております。

第1部

8週齢規制について(講師:動物との共生を考える連絡会 青木貢一様)

8週齢規制について 動物との共生を考える連絡会 青木貢一様

法改正の歴史について

まず、動物に関する法律は、昭和48年「動物の法および管理に関する法律」という名前で制定され、長い間総理府の所管であったが、改正はなかなか行われなかった。

平成9年 神戸の少年による、少年虐殺事件(酒鬼薔薇聖斗事件)が起こり、この事件をきっかけに一気に法改正に向かう機運ができた。

平成12年、1回目の改正は、12月の臨時国会の押し迫った時だったので、なんとか法案を通していただきたいと、時の亀井静香さんにお願いをし、急遽法案を提出していただき、通過させてもらった。ただ、改正された中身については残念ながら私たち連絡会が求めている要望事項の70%程度で実験動物と農場動物に関する項目は除外規定ができてしまった。

平成17年に、2回目の改正が行われ、基本指針、動物愛護管理推進計画、動物取扱業が届出制から登録制に。また特定動物の飼養許可制、実験動物の3Rの原則だけが記載された。

その後、平成24年に3回目の改正が行われ、人と動物の共生する社会の実現をはかること、動物取扱業への規制強化、第二種動物取扱業の新設。そして、終生飼養、自治体が引取りを拒否できるということが制定された。

8週齢規制について

獣医師として臨床経験の中から8週齢規制についてお話しさせていただきます。
犬や猫は通常、母親とその飼い主のもとで誕生して兄弟姉妹とともに母親と飼い主の庇護を受けて成長します。子犬、子猫は、遺伝的素因、素質、風貌や体つき、身体能力、知的能力など全てが異なり、100頭いれば100の個性があり同じ母親から生まれても、11頭異なっています。純血種を含む多くの種類がいて、似たような形態を示しても、それぞれ違った習性や個性があって多種多様です。両親の遺伝的素質を受け継いでいますが、性格を形成する上で、そのどちらかの影響を受けますが、普通、父親の状態が分からないので、ペットを受け入れる際には母親の状態、母親が飼われている環境、母親を世話をする人の状況などを見て判断すべきですが、ペットショップではこれらは判断できません。

子犬や子猫を引き渡す時期は、幼すぎればすぎるほど、これは問題が起こります。
子犬や子猫は親兄弟と成長していく過程で、噛み付きの抑制だとか加減、遊び方などを体験学習するわけです。その機会を失わせてしまったり、あるいは短くしてしまう。そのために問題行動が起こってしまう。
また、成長が未熟なために、飼養管理に非常に大変な思いをせざるをえなくなります。犬猫の8週齢というのは、人間で言えば3歳ぐらいですから、注意深く飼養管理する必要は当然あるわけです。

イギリスなどではもっと長く生後6か月未満の子犬・子猫の販売は禁止という報道が最近ありましたが、8週齢、少なくとも、この8週齢規制というものをちゃんと守っていただければと。付帯事項を外してもらう、ということが最大の狙いであります。

告発事例から見えたこと(講師:公益社団法人日本動物福祉協会町屋奈様

虐待について Eva杉本彩

栃木県 犬猫の販売業者に対する告発について

当協会 栃木支部に10年以上前から劣悪な環境下に多数の犬猫が飼養されていると、一般の方からの相談が入っていました。そのたびに、栃木支部スタッフが現場を確認し、栃木県動物指導センターに視察指導のお願いを10回以上してきました。しかし、2015年末、犬猫、約155頭の収容環境が一層悪化しているとの報告を受け、動物虐待に詳しい、田中亜紀先生と現場視察をし、劣悪な環境およびネグレクトを確認しました。また、管理者が手放した病気・怪我の犬猫19頭を保護し、動物病院で治療をしました。

大変劣悪な環境下で長期間、不必要な苦痛が与えられ、生命の危機にさらされているということは非常に悪質であり、10年以上の長期経過から当該業者が改善する可能性は極めて低いと判断。そこで、獣医師3名による現場視察報告書と画像、そして保護した犬猫19頭の診断書を証拠として、20164月動愛法違反と狂犬病予防違反で告発をしました。

狂犬病予防法違反については略式命令が確定したが、虐待は不起訴処分となりました。この結果を当協会は不服とし、20178月に検察審査会に申し立てをしました。同年、検察審査会は不起訴不当と判断し、その後、再捜査行われました。しかし、今年7月に、残念ながら再度不起訴処分となりました。この当該業者は、現在は廃業していますが、内部告発的に無登録で今でも引取業をしているという噂があります。これは、つまり、懲りていないということです。

 福井県 犬猫の繁殖業者に対する告発について

201712月初頭、福井県民の方から当該業者について相談がありました。内容は、多頭飼育崩壊のリスクのために犬猫の保護経験のあった有志が福井県職員や坂井市職員とともに現場に立ち入ったが、あまりにもひどい状況である。そこで、有志の方に、立ち入り時の現場画像と報告書の提出をお願いし、それをもとに専門家とともに慎重に吟味した結果、動物虐待の疑いがあると判断。

施設状況ですが、強烈なアンモニア臭、犬を狭いワイヤーケージや、コンクリートプールで過密に飼育。約385頭の犬猫を2名の従業員で世話をしていたため、必要最小限の管理すらできていない。十分な給仕、給水がされていない。温度管理設備がなく、真冬でも犬がいる状態で上から冷水で放水し、プールとともに洗っていたような状況。もちろん、濡れた犬は乾かされることなく放置されていました。疾病や外傷も放置。従業員の乱暴な犬の取り扱い...等々。
これらの、福井県民有志の現場視察報告書と画像をもとに3名の獣医師の意見書を証拠として、今年の3月動愛法違反と狂犬病予防法違反で告発。それと同時に、福井県にも改善要望書を提出。

警察の対応ですが、3月末に告発状を受理し、518日に書類送検。県庁の対応としては、昨年12月の多頭飼育崩壊の相談を受けてから複数回指導に入る。そして今年3月末、犬を約160頭に減らし、従業員が4名になったところで、改善されたと判断されたようです。しかし一貫して虐待は認められなかったとの見解です。

今年の7月末に、狂犬病予防法違反は一部起訴となりましたが、動愛法違反については不起訴と判断。当協会としては、その判断について不服として9月に審査会に一般市民からの意見と獣医師6名の意見書とともに申立書を提出し、その後受理されました。

当該業者の現在ですが、経営者と従業員1名は書類送検後、当該施設では見られないという話が入っています。そのため、現在、犬約160頭を従業員1名で世話をしている可能性がある。また、減らされた約240頭の動物の行方は当協会では把握できませんでした。そして、残念ながら、この業者については1頭も動物を保護することはできませんでした。

●告発事例から見える現行法の問題点

  1. 管轄する自治体の対応が遅く、事態が悪化してから問題が露呈。
  2. 動物虐待の解釈、定義が獣医学や民意と法律との間に大きな乖離がある。
  3. 特にネグレクトを虐待と認識してもらえないという現状がある。
  4. 獣医師等の専門家の意見が反映されにくい。
  5. 警察、検察を含めた行政機関が、虐待の判断に困ったときに頼れる専門的相談機関がない。大学等の専門機関もあるが、活用が遅れている。
  6. 動物虐待をしている人間は罰することができても、虐待を受けている動物をその場で救助することができない。

●対応案

  1. 行政職員が法律をしっかり運用活用し、特に動愛法第44条(罰則規定)第25条(周辺の生活環境の保全等に係る措置)を業者にもしっかり適用し指導をする。
  2. 行政職員が現場で判断に困らないよう、さらなる明確な飼養管理基準が必要不可
  3. 獣医師がいない自治体もあるので、動物虐待、特にネグレクトのより具体的な例を政省令等で明示し、その際、獣医師と動物の専門家の意見が反映されるよう「獣医師等が虐待を判断した場合」との一文を付け加える。
  4. 虐待を受けている動物を救助できるよう、一時緊急保護措置や、再発防止のための飼育禁止、または停止命令を発動できるようにする。
  5. 虐待をしっかりと判断してくれる公平な第三者機関として、獣医系大学等で専門学的相談機関の設置が広がってほしい。
  6. 動物虐待の場合は、罰則を伴うものですので、警察と自治体との連携強化を平時から構築してほしい。

数値規制について
(講師:京都動物愛護センター相談係長河野誠様)

動物取扱業における不適正飼養の対処と課題 高崎市動物愛護センター大熊伸悟様

行政は「動物取扱業者が遵守すべき動物の管理の方法等の細目」に基づいて動物取扱業者に対し指導をしています。色々な内容が書かれていますが、ざっくり申し上げますと「適性に」などの表現が多く、具体的な項目というのがあまり書かれていません。我々はそれに基づいて指導をしないといけない訳です。

移動動物園について

具体例として、まず移動動物園についてお話しします。
市内の商業施設の屋外スペースに、秋期1カ月間営業。動物は京都以外の県から移動。展示時間は、商業施設の始業時から夜の78時まで。展示後は、木製のコンテナ3箇所に動物を詰め込む。

これについて「営業形態はいかがなものか」という相談が京都動物愛護センターに数多く寄せられ、我々も指導に行きました。

<移動動物園の営業者とのやり取り>
●京都動物愛護センター:1カ月間という営業期間は長いのではないか?
●移動動物園:商業施設からの依頼をお受けしたまでです。
※当然、法令に期間の定めはない。

●京都動物愛護センター:コンテナを常設するのではなく、通常動物が暮らしている場所に戻すのが筋じゃないんですか?
●移動動物園:毎日輸送すると輸送ストレスがかなり高くて、経験上、この形態、コンテナの中に置いておく、それが最も病気が発生する率が低いんです。

●京都動物愛護センター:コンテナに動物を詰め込みすぎじゃないんですか?
●移動動物園:コンテナに詰め込むことによって、動物たちは暖を取るんです。気温が寒いときなどは、詰め込んでおくほうが感染症にかかりません。

●京都動物愛護センター:商業施設のスピーカー等、すごく大きい音響が鳴り響きます。そういうところから動物を離すべきではないんですか?
●移動動物園:これまで経験上、何の問題もありません。

●京都動物愛護センター:雨が降る中での展示に関し、中止するよう指導。
●移動動物園:屋根等があって動物に雨がかからなければ問題ないのでは。
※雨の中での展示は勿論中止となりました。しかし動物はコンテナの中に放置されたままです。

●京都動物愛護センター:動物の種類、長時間の営業に、従業員1人だけで対応。従業員を増やすように指導。
●移動動物園:これまで1人で問題なくやってきたので、何の問題もない。

<問題点>
実施の期間、1カ月間というのが移動動物園として適切な期間なのか。
移動動物園の動物たちの保管の在り方。
輸送ストレスに対する考え方。
動物の数、種類に対しての従業員の数。
こういった数値がはっきりと明文化されていれば、当然移動動物園という営業形態がそもそも成り立たつとは思えず、我々も指導しやすい。

猫カフェについて

2つ目の例として、1人で営業している猫カフェについてです。
営業開始当初は、猫が15頭。その後、野良猫の子猫も保護し始め、保護猫カフェという事で、お店の前に猫を捨てられるというケースもあり...そうこうしている内に、避妊・去勢が追いつかず、店舗内で繁殖し始め、現在約50頭の猫を1人でかかえて営業することに。

<猫カフェとのやり取り>
●京都動物愛護センター:頭数を減らすように指導。
●猫カフェ:譲渡等の努力はしている。
※しかし、本人は今の頭数でも飼養管理できてるというプライドがある為、譲渡が決まるとまた新しい猫を保護してしまう。頭数がなかなか減らない。

●京都動物愛護センター:不衛生についても改善を指導。
●猫カフェ:感覚的には全然問題ないと思っている。
※本人に自覚がない為、なかなか改善が見込めない。
※この方は、平成22年から5年間、別の場所で猫カフェを営業。不衛生の苦情が多数発生し、出ていくことを余儀なくされた過去がある。問題の根幹がなにも解決できていない。

<問題点>
施設内の臭気を、感覚的なものではなく、客観的に指導できる基準が必要。
一施設あたりの頭数であったり、1人で管理できる頭数など具体的な基準が必要。

まとめ
我々は、細目に基づいて「適性」と言われるところを感覚的に読み取って、毎回考えながら指導しています。その中で、我々が考える「適性」と、事業者が考える「適性」が、ものすごく隔たりがある。事業者さん自身が感覚、経験で問題ない、と言われるケースがかなり多く、そこは我々も経験論、感覚論で指導していくが、なかなか響かない。

移動動物園に関しては1カ月間で約20回立ち入り指導をしたが、なかなか現場として改善に結びつかなかった。
数値的に客観的に評価できる、そういうものが基準としてあれば、我々も当然指導しやすい。数字的に最初からこういうものを守らなければ、営業できませんよ、というものを作っていく。それが、法的な社会づくりという事に繋がるのではないか。

アニマルウェルフェア畜産について
(北里大学獣医学部フィールドサイエンスセンター
寶示戸雅之先生)

寶示戸雅之先生

まず、日本の産業動物のアニマルウェルフェアの実態というのは世界で最悪です。日本は様々な分野で最先端を走っている国ですが、特に産業動物のアニマルウェルフェアの視点で言うと、実は最悪です。

例えば、皆さんが食べる卵。ほとんどは、バタリーケージといって、籠の中で飼われた鶏です。ヨーロッパでは、バタリーケージは禁止されています。それから豚肉は日本ではストール飼いと言って、コンクリートの藁もないようなところで子どもを育てるのが普通ですが、ヨーロッパではそんなことは許されていません。動物は、本来は、藁が敷かれたところで、藁をかき集めながら育つというのが本来の性質です。皆さんがお好きな黒毛和牛。これは、霜降りのとってもおいしい肉ですが、全く運動はさせませんし、病的な脂肪を付けさせられた状態で育てられています。決して健康な状態ではありません。
それに対して、北里大学は北海道の八雲町というところに八雲牧場という肉牛の牧場を持っております。370ヘクタールの土地に約250頭の肉牛を育てています。循環型畜産といって、基本的に買ってきた餌は与えません。グラスフェットという土地で採れた牧草だけを与えます。しかも、その草の育て方は、完全有機的な管理つまり、肥料も農薬も与えないというのが特徴です。
5月下旬から10月の下旬までの半年間は完全な昼夜放牧しています。牛たちは、基本的に好きなときに好きなだけ牧草を、好きな場所で食べられる。冬の間も基本的に飽食と言って、食べたいだけ食べさせる。

牛たちも生き物ですから、大体30カ月ぐらいで700キロぐらいになるとお肉になる。
その間、できるだけ幸せに暮らしてもらいたいというのが私たちのコンセプトです。その結果、牛たちは大変健康的に育ち、特徴的なことの一つとしては、母牛から生まれた子牛は半年間、母牛と一緒に夏は放牧されますし、冬は舎飼いされますが、母牛のお乳を半年も飲みます。日本の畜産では、生まれた途端に断乳、即座に代用乳を与えられるのが普通です。
北里大学獣医学部付属フィールドサイエンスセンター「八雲牧場」視察レポート

日本のアニマルウェルフェア畜産が遅れているということは、ものすごく具体的な例で言うと、例えば、ネスレやマクドナルドなどの世界企業が、アニマルウェルフェア基準に従った肉でないと買わないと言い始めています。オリンピック・パラリンピックに提供できる食肉が私たちの国ではないと言われています。北里八雲牛は適合しますが、数が足りない。

ヨーロッパやアメリカ、特にヨーロッパ、英国を中心として産業動物のアニマルウェルフェアの飼養基準というものは、きっちり決められています。日本でも遅まきながらそういうことに取り組み始めているところですが、残念ながら、産業動物に関してはまだまだ遅れています。
先生方には、ぜひ日本の畜産が実は世界で最低だということをぜひご認識いただいて、この動愛法の改正の中に産業動物についてもぜひ加えていただきたいです。

パネルディスカッション「事例から見る法改正」

パネルディスカッション「事例から見る法改正」

パネリスト(順不同)
環境省動物愛護管理室室長 長田啓様
・公益社団法人日本動物福祉協会 町屋奈様
・動愛法改正PTアドバイザリー 藤野真紀子様
・立憲民主党 衆議院議員 生方幸夫様
・公明党 衆議院議員 中野洋昌様
・公益財団法人動物環境・福祉協会Eva 理事長 杉本彩

コーディネータ
・虎ノ門法律経済事務所 佐藤光子様

パネルディスカッション「事例から見る法改正」

NPO法人福井犬・猫を救う会の藤永様から

今年の31日に、福井新聞に大きく報じられた福井県坂井市にある犬猫繁殖業者。県内にこのような劣悪な繁殖場があることを初めて知り、大きなショックを受けた。そのため、3月の県議会で繁殖場の状況が明らかに動物虐待ではないかなどの質問を県議にして頂いた。しかし、県は「動物虐待とは認められない」との見解を示した為、県民の1人として何か行動を起こさねばならいという気持ちで、県内の9つのボランティア個人が集まって「動物愛護福井県連盟」を立ち上げ、720日嘆願書と請願署名(18,800名)を知事宛てに提出。

<嘆願書の内容>
1. 法令を順守してない業者に対し、平成292月に登録更新を認められた理由を確認。
 ・犬の登録は平成29年、直近の3年間全く行っていない。
 ・狂犬病予防注射も平成2728年は未接種。

県の回答:当該業者から、新規登録があったものについて、国で定める基準に基づき、平成2921日登録。
※問い合わせに対する、具体的な説明はなし。

2.県は、動物虐待を疑う事例や、狂犬病予防法を順守してない状態を長い間放置してきたため、犬猫等健康安全計画、動物の飼養方法、繁殖等の検査項目に対し、業者から提出された資料の確認だけではなく、その根拠となるデータの確認を行うとともに、問題が見つかった場合、的確に指導監督していただくように要望。

県の回答:施設や動物の状況を確認すると共に、事業所に備え付けの関係書類の記録内容等を法令に基づいて確認している。狂犬病予防法に基づく犬の登録、および予防注射が行われない場合、当該施設を所管する市町へ情報を提供する。

3. このようなことが再発しない改善策を要望。今回の問題点を分析していただき、改善策を作成しマニュアル化していただきたい旨、お願いした。

県の回答:現状の報告のため、環境省に何度も足を運んでいる。また、立入検査も月2回、実施している。
※これらに対しては、非常に評価しているが、再発防止策については、残念ながら、県から誠意ある回答はなかった。

生方先生:現在の動物愛護法が不十分であるということは、もう皆さんご承知の通り。残念ながら、商売だけを目的とした繁殖業者の方がいらっしゃることも事実。私たちが今議論しているのは、登録制でなく、繁殖業者を免許制にしようではないかというふうに考えている。動物の飼育や育成に関して知識がない方が入ってきて、それを業として成しているところに様々な問題が起きている。免許制にしてまず繁殖業者がきちんと繁殖業に適しているかどうか、少なくとも獣医師のようにきちんとした知識と経験を持った方が繁殖業者になるというのを前提とすれば、入口でかなり絞ることができるのではないか。動物虐待に対する罪と罰金が非常に軽い。命あるものとしてこれを5500万円程度にまで引き上げたいというふうに思っている。

パネルディスカッション「事例から見る法改正」

藤野様:毎回繰り返し繰り返しこういうことが起こっている。本当に「どうして」と憤りを感じる。ぜひ次の法改正では、パピーミルというものをなくしてほしい。そもそも、あんなにたくさんの犬猫を飼育して売るなんていうことはあってはならない。また5年持ち越されて、あの状況が続くのかと思うと、本当にやり切れない思いがする。

改正案では、殺傷罪は5500万円まで引き上げましょう、という話しもある。罰則は高くなるが、しかし誰も捕まらないし、誰もその罰を受けない。自治体も警察も、第三者機関、各省庁、みんなが連携して、なんとか不正を摘発できる仕組みを具体的に考えていただきたいと思います。

パネルディスカッション「事例から見る法改正」

PEACE 命の搾取ではなく尊厳を 代表 東様から

めっちゃさわれる動物園と、それを運営している堀井動物園について事例を交えお話しします。

堀井動物園を告発したのは、特定動物のオナガザル科のアビシニアコロブスとタカ科のハクトウワシを無許可飼育していたから。この業者の特徴というのは、いろんな種類の動物をたくさん手に入れたい、という類のアニマルホーダー、多頭飼育の問題があると思っています。

めっちゃさわれる動物園では、鳥や、爬虫類、いろんな種類の動物が触り放題になっている。100種類350匹(今は少し減ってると思うが)を大体3人前後ぐらいのスタッフで世話をしている。
1年間見てきたが、かなりの動物が死んでいるし、入れ替わってる。また、どこに行ったのか分からない動物もたくさんいる。台帳の記録の義務も、ずっと果たしていなかった。犬猫については、法律の中に義務があるが、他の動物については細目の中に書かれているだけなので、行政も長年指導はせず、どういった動物が死んでいるかということもあまり把握していない。この施設内では、サソリが逃げた事があり、それをきっかけにショッピングモールからは出て行ってほしいという交渉があったようだ。

堀井動物園では、広さは50mプール程のところに、猿、犬、ヤギ、シマウマ、ラクダなど、本当に色々な動物が、数十種ぐらい所狭しと飼われている。もちろん、糞尿、臭いがするので、近所から苦情が絶えない。

昨年実際に堀井動物園の前まで行き、ちょっと臭うので、ゴミをどけたら死体が捨てててあった。ムフロンという羊の原種の動物だった。また、立ち退きを迫られているにも関わらず、キリンを買ってしまったり、チンパンジーもいるがたった1頭だけで檻の中にいるなど不適切飼養の状態。

移動動物園の営業形態の1つのパターンだが、朝、滋賀県から他の県(例えば埼玉県)の会場に行き、1日ふれあいをやって、また夜、滋賀まで戻ってくる。スタッフも1人なので、人間にも大変過酷な営業形態である。

パネルディスカッション「事例から見る法改正」

長田様:やはり明確で具体的な基準がないことを含めて、自治体は正しい指導ができていないんじゃないか。こういった不適正なものを防ぐためにも、改正での対応が必要だと思う。

営利目的で動物を飼養している方々は第一種動物取扱業者という位置付けで、自治体に登録をすることが必要になる。これを許可制に上げようという議論もあるが、現在、登録については、基準が省令や告示で定められており、それを満たさないものは登録を拒否しなければならないという規定がある。また、登録後も基準を満たさなくなれば取り消しの対象になるという意味では、一般的な許可制にかなり近い制度になっていると思う。

問題は、基準が具体的でないということ。あるいは、具体的であっても適切でない。あるいは、基準があるのに、それをうまく使えてないということ。いずれかなのではないか。

環境省としても、今の基準で、100点満点だというふうには思っておらず、今年の3月から「動物の適性な飼養管理方法等に関する検討会」をしており、現行の基準をより細分化し、明確化するという観点から検討を始めたところ。

一方で、この具体的な数値基準ということについては、科学的な根拠というのが必要になってくるでしょうし、必ずしも、施設等の数値的な基準だけではなくて、動物の状態そのものから目をそらしてはいけないという指摘もある。

各地で、対策に取り組んでいる自治体の職員さんは、それぞれ問題を認識しながら現場の指導等に苦慮されている。職員の能力の強化というのも重要になってくるので、各地の経験を共有するなどの対応も必要になってくる。

杉本:異常な常同行動で、グルグル檻の中を回ってる動物を展示しているということ自体、本当に異常。本来なら群れで生きるはずの動物が、たった1頭でポツリと展示されている。

こういったことが普通に存在しているこの国の文化的水準、道徳的水準というものは、一体大丈夫なんだろうか。また、こういったことも、未だにしっかり取り締まることができない。そもそも、この様な施設をテナントで入れた、ショッピングセンターのモラルもいかがなものかと思う。また、環境省の長田さんの話を受けてですが、科学的知見など本当に必要なのか?ライオンが狭い檻の中に閉じ込められていることに対して、これ以上のアンモラルな事はないのではないか。これに科学的知見など本当に必要なんだろうか。

先進国のヨーロッパには参考にすべき基準がたくさんあると思う。短時間でいろんなことを決めていくには動物愛護先進国が今どういった基準になってるのか、というところも参考にして、なるべく無駄な時間を使わない努力も絶対に必要だと思っている。

パネルディスカッション「事例から見る法改正」

NPO法人SORAアニマルシェルター 代表 二階堂様より

今年6月から7月の短い間に、福島県と山形県で特定犬種が多数遺棄された件について。

ボランティアさんから「犬を拾ったので、どうしたらいいですか?」という問い合わせから始まった。私が1匹目を保護した2日後くらいに、ほとんど同じ場所で、5匹の犬がさまよっていたのを保健所が保護。そうこうしてる内に、また別の場所で同じような子が捨てられ...
これでは、またいつ捨てられるか分からないし、捨てた人は罰せられなければならない、また広く一般には「これは事件なんだ」と認識してもらいたいという思いから被疑者不詳で告発をした。

結局、全部で26匹が捨てられていた。山形県米沢市の河川敷や、福島県伊達市梁川町の河川敷に点々と似たような犬が捨てられていた。

捨てた人が見つからない限り、何匹捨てたのかも分からない。業者なのかも分からないが、やはりその辺の責任をもっと追及していただきたい。また、遺棄に対し、保健所も警察も「何が悪いことなのか?」と言った態度で真剣に向き合ってくれない。

パネルディスカッション「事例から見る法改正」

中野先生:こういう痛ましい事例をなくしていくために、各自治体、また動物愛護団体の皆様が頑張っていただいてるが、そもそもこういうことを発生させない取り組みをしないといけない。悪質な業者をどうやって排除、あるいは、取り締まっていけるのか。その実効性を高めていくための法改正をどうしていくのか、今まさに、超党派のPTで議論しているところです。

私の地元でも取り組んでいますが、多頭飼育崩壊、不適切な飼養をしている事例も多々あり、センターだけではなく、福祉的な手助けが必要な方が大変に多いということで、まずこうした事例を出さないように、しっかり連携を取らなければならない

また、私の地元の兵庫県では、アニマルポリスホットラインというものがあり、動物虐待などの事案に関する警察の窓口というものを設置しています。やはり、全国でこうした取り組み広がってほしい。

最後に、どうしても地元の保健所などはマンパワーに限界がある状況です。こうした予算というのも、しっかり環境省からも増やしていただきたい。

町屋様:生体の遺棄疑いのケースというのは、おそらく全国で起こっていることだと思う。先月末、栃木県でも、人気犬種が同じような場所で2回捨てられていた。これは、今年に入ってもう4回目だそうで、同一の動物取扱業者だろうという目星付いているが、なかなか取り締まれていない。

やはり遺棄の問題は、非常に軽視されやすい傾向にある。なぜかと言うと、死んでいれば別だが、生きていると「生きているんだからいいじゃないか」「保護されたんだからいいじゃないか」というような考え方が、やはり警察にも自治体にも、また捨てる側にもあるので、罪悪感がないということが大きな問題だと思っている。

そもそも、ちゃんとやっている業者は捨てません。こういった業者は、劣悪な状態で飼育していると思うので、そういった業者をなくすというところからやっていかないと解決できないと思っている。

パネルディスカッション「事例から見る法改正」

NPO法人神奈川動物ボランティア連絡会 代表 矢吹様より

5年前に広島のピースワンコ・ジャパンという団体が「不妊・去勢手術をしてない」という情報を得ました。ところが、広島県は登録団体としてずっと譲渡している。センターの譲渡団体登録の基準には、現に飼養している犬及び猫の不妊去勢手術が義務付けられているにも関わらず、ピースさんは、不妊・去勢をしないと公言している団体。なぜ、それを無視して譲渡してるのか、ということで私たちは何回も広島県とやり取りをした。

そのときの自治体職員の答えは「指導します」「調査します」の同じ答えです。要望書も提出しましたが、それに関しては一切返事はありませんでした。その内に、神奈川の藤沢に施設を作るという話が入ってきた。未手術のままの犬を神奈川に施設を作って、そこで譲渡する。とんでもないですよ。それで、東京、横浜、近隣の愛護団体さんに声をかけ連名で、ピースワンコさんに公開質問状を提出しました。

私たちが一番言いたいのは「不妊・去勢をしてください」「狂犬病予防接種をしてください」それだけなんです。その件に関してピースさんからは「私たちは自然体で犬を扱いたい。ヒート中も雄と雌は分けてあるので、何の問題もない」との回答です。
日本の保護犬猫の未来を考えるネットワーク「ピースワンコジャパンへの公開質問状」

また、私たちは自治体に対し不妊・去勢手術について電話で実態調査しました。
長野県のリアという団体は不妊・去勢をしていませんが、長野市は出している。一番ひどかったのは新潟市の職員です。「産ませるのは、飼い主の勝手じゃないか。なぜ、センターが不妊・去勢しなきゃいけないのか」と。何も分かっていない。これは各自治体に任せていい問題なんでしょうか。横浜では、センターに一度入った犬を譲渡するときには、全て不妊・去勢し、狂犬病も打ち、マイクロチップも入れます。私はその落差にびっくりしましたが、せめてセンターから出す犬たちは、そのくらいは自治体がしてほしいと思います。

また、愛護団体と言っても色々な団体があります。なぜこういう問題が起きるのか。愛護団体に基準がないからです。書類が揃っていれば、誰でも愛護団体ができるのです。ですから自治体がしっかり見極めないといけません。そうしないと、殺処分ゼロなんて日本ではあり得ません。殺処分ゼロというのは絵空事です。横浜市は収容数ゼロを目指して頑張っています。まずそこからだと思います。収容数ゼロというのは、不妊・去勢をまずする。飼い主さんがきちんと管理をする。それから始まることで、そこが終生飼養につながることだと思います。その辺を見極めて、法改正をぜひお願いしたいと思います。

長田様:ご指摘の通り第二種動物取扱業と言うのは、営利を目的としていないので、前回の改正で初めて届出制度となりました。「実態を把握することが必要だ」という考えのもと法律に盛り込んだと認識しています。第二種動物取扱業が、順守すべき基準というのは、一部、第一種と同じような基準が適用されると思いますが、届出制ですので当然取り消しもないという所です。

また、各自治体に任せていいのかということについては、任せるべきことと任せてはいけないことがあるというふうに考えております。各自治体の裁量に任せるべきでないことが法律になっていたり、全国統一の基準として、環境省の告示だったり省令だったりというものに位置づけられていくということが重要だというふうに考えています。

今回の、広島県の事例で言いますと、やはり統一的に考えるべきこととしては、こういう環境で不妊・去勢をしないということがどうなのかということが一つの論点としてあると思いますし、不妊・去勢以外の別の方法で、例えば、事業者、雌を隔離しているというようなことを言ってますけども、それでちゃんと繁殖の抑制ができるのかというのは、記述的な論点としてはあろうかと思います。

また、自治体の特殊事情というのも色々あると思いますが、行政のパートナーだから、基準の適用を緩めていいか、と言えばそういうことではないと思いますので、そこをしっかり議論していくのが今後の課題だと思いますし、これは法律で対応するべき課題なのか、別の方法によって対応していくのがより効果的なのかということは、十分検討していく必要があると思っています。

パネルディスカッション「事例から見る法改正」

杉本:このピースの問題については、私も以前から危惧していました。「広島県の問題を何とかしてほしい」とちゃんとやっていらっしゃる行政の職員さんは口を揃えておっしゃいます。というのは、やはり不妊・去勢手術をしてない野犬が全国にばらまかれているような状況になっているわけです。動物福祉、動物愛護における”蛇口を閉める”というのは、第一種のビジネスでやってる部分のことだけではなくて、第二種についてもしっかりと蛇口を閉めることを考えて活動をしていかなけなければならないと思います。

不妊・去勢手術をするというのは、シェルタリングワークの中での基本中の基本。これを、かたくなに拒んで、結局シェルターの中で子どもが生まれてしまっているとか、または脱走して外で繁殖しているとか、そんなことは本当に言語道断だと思います。この問題は早急に解決しなければいけない問題です。広島県の県議の方がこの件について、議会で質問されてるものを拝見しましたが、広島県は、本当に適当な回答でした。これは県の責任も本当に大きいと思いますし、これから、私たちが目指す動物福祉の向上とか、動物愛護の在り方というものの、根幹に関わる重要な問題だと思います。

閉会挨拶

社民党参議院議員 福島みずほ様

立憲民主党 衆議院議員 生方幸夫様

聞けば聞くほど、改正のポイントが次から次へと出てくる感じがいたしますが、変えられることは限られていますので、優先順位を決めて、どうしても今度の改正で変えなければいけない部分を重点に取り組んでいきたいと思います。何よりもここにいらっしゃるような熱心な方たちを巻き込んだかたちで法改正ができれば、より動物にとっていい改正になるんではないかなというふうに思います。

民進党衆議院議員 松野頼久様

公明党 衆議院議員 中野洋昌

痛ましい事例を見るに付けまして、これを解決していくためには制度をどうしていくかという問題。そして、地元の自治体、それぞれの現場での対応をどうしていくか。そして何よりも、動物愛護団体の本当に最前線で頑張っておられる皆様としっかり連携をして、この問題を解決していかないといけないということを改めて、今日、決意させていただきました。法改正の議論も、PTまたそれぞれの党でしっかりの進めていきます。

Eva 理事長 杉本彩

Eva 理事長 杉本彩

様々な問題についてお話しすることになりましが、5年に1度の法改正ですから、しっかりと私たちが望むかたちで着地していただきたいと思っています。
また、
皆さんお一人お一人が、いろんな方にお話ししていいただき、改めてこういった問題があることを、より多くの方に知っていただければと思います。

ペット業界においては今や何兆円産業です。その方々が、議員会館に来て、ロビー活動をされているわけです。私たちも含め、ロビー活動をして下さっている団体さんも沢山いらっしゃいますが、そこに高い壁、大きなハードルがあることは痛いほど感じます。しかし、国民の声が大きくなることで、物事が動いていくことは確かなことです。私たちの声を集結させて大きな力に変えていければいいと思います。

私たちだけでは、ロビー活動はやはり力不足だと思っております。ですから、どうぞ団体さんはもちろんのこと、グループの方々、そして個人の方々も、議員の先生方が地元に帰られたときに要望をお伝えするなど、ともにロビー活動をやっていただけることを願っています。そして、私たちは先生方がその後どのように動いていただいたかをしっかり見届けることが重要だと思っています。

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