杉本彩特別講演会&Eva事業報告会(2026年11月)

11月1日、日頃からEvaを支えてくださっている皆さまへ感謝を込めて、「杉本彩特別講演会」と「Eva事業報告会」を開催いたしました。

特別講演会では、代表理事の杉本彩が、動物虐待や多頭飼育崩壊、ペットをめぐる社会課題など、長年の活動を通して見つめてきた動物たちの現状と、これから社会が変えていくべきこと、そしてEvaが目指す未来についてお話ししました。

また、事務局スタッフからは日頃の活動や今後の課題、収支についてご報告しました。Evaの活動の現在地とこれからを皆さまと共有し、人と動物がともに幸せに暮らせる社会について考える、貴重な機会となりました。

開会ご挨拶 (代表理事 杉本彩)

 

私たちEvaの活動は、来年2月で13年を迎えます。

振り返れば、あっという間の13年でしたが、その間には言葉では言い尽くせないほど、さまざまな出来事がありました。今日まで活動を続けてこられたのは、本日お越しいただいた会員の皆様、ご支援者の皆様のお力添えがあってこそです。心より感謝申し上げます。
この13年間で、動物を取り巻く社会がどのように変わってきたのかを振り返ると、少しずつ改善されてきたこともあります。一方で、法律が改正されても、その後に新たな問題や、以前より見えにくく、巧妙になった問題が生まれているという現実もあります。社会を変えることの難しさを、私たちは日々実感しています。
Evaは啓発、教育、政策提言、虐待対応を中心に活動する団体ですが、現場で動物たちの保護に懸命に取り組んでいる素晴らしい方々とも、常に連携しながら活動しています。そうした現場の方々からお話を伺うたびに感じるのは、救っても救っても、悲劇がなくならないという現実です。目の前の命を救うことはもちろん大切です。しかし、目の前の命を救い続けるだけでは、社会そのものを変えることはできません。
そもそも、動物たちの悲劇を生み出さない社会をつくること。それこそが、私たちが目指すべきことだと考えています。仕組み作りや必要な法律を変えていくこと。そして、社会全体の意識を変えていくこと。これが、私たちEvaが啓発と政策提言に力を注ぎ続ける理由です。
そして、今日ここにお集まりいただいている皆様は、単にEvaを支援してくださる方々ではありません。私たちと同じ思いを持ち、動物たちの未来を変えていこうとする、大切な仲間であり、活動を共にする同志だと思っています。今日は、私たちがこれまで取り組んできたことだけでなく、今、何を課題と感じ、これから何を実現していきたいのかについても、皆様と共有できればと思っています。

特別講演 (代表理事 杉本彩)

杉本彩特別講演では、動物愛護管理法の改正に向けたEvaのロビー活動をはじめ、動物を取り巻くさまざまな課題についてお話ししました。

動物愛護管理法は5年ごとの見直しが予定されていますが、国政選挙などの影響で議論が停滞し、次期改正の見通しは不透明な状況です。Evaは国会議員へのロビー活動を続け、必要な法改正を求めています。

また、全国で頻発する多頭飼育崩壊については、動物だけでなく飼い主自身や地域社会にも深刻な影響を及ぼす問題であり、行政の動物愛護部局や福祉部局、警察、民間団体などが連携して対応する必要性を指摘しました。さらに、動物愛護団体による不適切な飼育、気候変動による外飼いのリスク、野生動物カフェやふれあい施設における動物福祉、一般飼い主による虐待など、具体的な事例を交えながら現状と課題を伝えました。

動物虐待への対応では、現在約13万9,800筆の賛同が集まっている「動物虐待罪の厳罰化」を求める署名活動を紹介。あわせて、虐待を受けた動物の緊急保護や、虐待者のもとへ動物を戻さないための仕組みづくりの必要性についても訴えました。

こうした課題を解決するため、Evaが長年構想してきたシェルターの開設についても報告しました。現在、候補地を含め実現に向けた検討を進めています。目指すのは、単に動物を保護・収容するだけではなく、適切なケアを提供し、啓発や学びを通じて同じ悲劇を繰り返さないための拠点です。動物たちの命と福祉を第一に、将来にわたって持続可能な施設を目指し、皆様からお預かりしているシェルター基金を大切に管理しながら、実現に向けて歩みを進めていくことをお伝えしました。

2025年度 事業報告 (事務局 松井久美子)

Evaは「啓発事業」「教育事業」「政策提言」「虐待対応」の4つを柱に活動しています。
啓発事業では、行政や企業、各種団体での講演会やイベント、啓発ポスター・チラシの制作、コラムやYouTubeなどを通じて、動物福祉の現状や課題を社会に発信しています。教育事業では、設立当初から「いのち輝くこどもMIRAIプロジェクト」として小中学校で出前授業を実施。子どもたちがグループワークを通じて動物の命について考え、自らの言葉で発表する機会を設けています。政策提言では、国や自治体に対し、法制度や行政運用の改善を求め、2025年度は面談や会議への出席を通じて計14件の提言を行いました。虐待対応では、128件の相談・通報を受け付け、関係機関との連携や証拠の整理、必要に応じた刑事告発などに取り組みました。

今期も上半期が過ぎましたが、Evaは動物たちを取り巻く問題の解決に向け、日々活動を続けています。一つひとつの活動がすぐに大きな変化につながるとは限りませんが、社会を少しずつでも変えていくため、これからも声を上げ、行動してまいります。こうした活動を続けられるのは、いつも支えてくださる皆様のおかげです。心より感謝申し上げます。これからも皆様と思いを共有しながら、動物たちが安心して生きられる社会の実現に向けて歩んでまいります。

2025年度 収支報告 (事務局 木野内晃子)

当協会の収入の大部分が、個人・法人の皆様からの賛助会費やご寄附によって支えられています。特に、個人の皆様からの温かいご支援が活動の大きな支えとなっており、改めて感謝をお伝えします。

皆様からお寄せいただいたご支援は、啓発・教育・政策提言・虐待対応の4つの事業に大切に活用しています。ひとつ虐待対応を例に挙げ、2025年度の実績をご報告いたします。私たちは虐待の相談・通報を受けた案件について、行政への働きかけや刑事告発、裁判の傍聴などを行っています。また、虐待通報をもとに独自の「動物虐待統計」を作成・公表し、虐待の傾向を分析することで、啓発や政策提言にもつなげています。処分が確定した後も、動物たちの飼育環境が改善されているかを継続して確認する姿勢を大切にしています。

シェルター基金については、これまで多くのご支援が寄せられています。Evaが目指すのは、動物の保護・医療・教育・防災の4つの機能を備えた施設です。実現に向けて引き続き検討を進めてまいります。

啓発活動は、成果が数字として見えにくいものですが、動物が守られ、虐待のない社会を目指し、今後も4つの事業を着実に継続していきます。

Evaを支えてくださる皆さまへ、感謝の気持ちを込めて

事業報告会のあと、2025年度ならびに2026年度、Evaの活動に格別のご支援をお寄せくださった皆様へ、感謝の気持ちをお伝えしました。

今回、ご紹介させていただいた方は、林 碧様、帯谷 泰三様・敬子様、腰髙 修様の3組です。林様には会場のステージにおあがりいただき、杉本代表理事より感謝状を贈呈するとともに、ご支援への感謝をお伝えしました。また、林様からも温かいメッセージをいただきました。
帯谷様にはオンラインでご参加いただき、杉本代表理事から感謝の言葉をお伝えしました。帯谷様から寄せられた思いにも触れ、改めてそのご支援に感謝を申し上げました。
腰髙様はご事情によりご欠席となりましたが、日頃からお寄せいただいている温かいご支援に、心より感謝を申し上げました。
Evaの活動は、多くの皆様のご理解とご支援に支えられています。日頃から活動を支えてくださるすべての皆様に、改めて深く御礼申し上げます。

皆様から質疑応答(杉本彩、Eva事務局)

最後の質疑応答では、生体展示販売や動物愛護法の改正、行政による動物保護のあり方、殺処分、畜産動物の福祉まで、幅広い質問が寄せられました。

回答では、動物福祉の向上には、国民一人ひとりが問題を知り、声を上げることが重要であると説明しました。署名への参加や、各議員への政策提案、環境省へのパブリックコメントなど、私たちにできる具体的な行動も紹介しました。

また、多頭飼育崩壊では、民間団体に負担を負わせるのではなく、まず行政が保護し、必要に応じて民間団体と連携する体制が望ましいこと、殺処分を減らすためには適正飼養や保護犬・保護猫を迎えることへの啓発も欠かせないことを伝えました。畜産動物についても、Evaは啓発や国会議員への働きかけを続けており、日々の買い物でアニマルウェルフェアに配慮した商品を選ぶことも改善につながると呼びかけました。

最後に、Evaを応援する方法として、SNSの拡散や身近な人への情報共有、署名への参加など、啓発活動を一緒に進めていただくことの大切さをお伝えしました。

閉会ご挨拶 (代表理事 杉本彩)

皆様、本日は週末の貴重なお時間を、こうして共に共有していただきどうもありがとうございました。

さまざまな動物問題は、私たちEvaだけが必死に頑張っても解決できるものではありません。だからこそ、皆様と一緒に社会を変えていくという思いを共有し、これからも活動を共にしていきたいと考えています。
今後10年先、さらにその先の未来に、動物たちを取り巻く社会がこうあってほしい。そんな願いを実現するために、私たちは諦めずに活動を続けていきたいと思っています。
これまで、動物たちのために懸命に活動してきた方々が、頑張りすぎて疲弊し、燃え尽きるように活動から離れていく姿も見てきました。だからこそ、誰か一人が無理を重ねるのではなく、皆で協力し、支え合いながら、一人ひとりが無理なく関わり続けられる活動でありたいと思っています。動物の命にきちんと思いやりを持てる、成熟した社会を目指していくためにも、活動する私たち自身も大切にしながら、持続可能な取り組みを続けていきたいと思います。皆様の中にも、それぞれの立場で活動されている方がたくさんいらっしゃると思います。どうか無理をしすぎず、ご自身の得意なことやできることを生かしながら、それぞれの形で動物たちのために力を尽くしていただければと思います。
これからも、皆様と一緒に歩んでいけることを願っております。Evaの活動に、今後とも末永くお力添えを賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。