column フニャンのニャン vol.2
当協会杉本彩と旧知の仲である天才心臓外科医 南淵明宏先生の猫コラム「不猫之猫(フニャンのニャン)」
ネコがいないと眠れない「NO ネコ, NO LIFE. 」の先生が綴る猫との暮らしや猫の魅力、猫から学ぶ生き方論など。ほっこり癒される先生のニャンコ日記をどうぞご一読ください。
ニャン方後円墳説(2025/07/14)
古代史は面白いです。わかっていないことがいっぱい。中でも巨大な前方後円墳。鍵穴のような形はどうしてああなったのでしょう?大きさや向きがまちまち。なぜでしょう?濠で囲まれていたりいなかったり。それに誰が埋葬されているのか。面積は巨大ですが、高さがありません!なぜでしょう。
しかし前方後円墳の横から見たお姿は、 なんとも癒されます。 落ち着いた、優雅な造形です。神々しさの象徴とも言えます。
私は昔から「あれはネコだ」と考えてきました。後円部のやわらかな盛り上がりはネコのお尻そのもの。つまりあれはネコがうずくまっているところを形どったもの、という理解です。エジプトには、紀元前に造営されたスフィンクスがありますが、あれはどう見てもネコです。ネコは弥生時代、稲作とともに来朝したとされています。きっとまねしたのでしょう。前方後円墳は早くても三世紀ですから。そこで私は「前方後円墳は『ニャン方後円墳』だ」説を提唱したいと思います。言ったもん勝ちの論法ですが…。
私は小さいころ奈良県橿原市八木町の札ノ辻に住んでいました。周辺には、35の大王様の宮殿跡、15柱の陵墓、その他無数の古墳。耳成山、 畝傍山、 香具山の大和三山に囲まれ東に三輪山、西に二上山と、古代日本の中心地です。育ちは貧乏ですが育った環境は歴史リッチでした。
「ウチのイナカにゃあ、 なーもねぇだ!」とか思っている人もいるかもしれませんが、そもそも「なーもねぇ」ところなんてこの日本列島にあるのでしょうか。古くからいろいろな人々が住みついて、人生を過ごしてきたこの大地はそれらをすべて刻み込んでいるはずです。
古代史と言えば邪馬台国、そしてその女王卑弥呼!「きっと杉本彩さんみたいな強靭な女性だったんじゃないか…」など、皆さん、想像力たくましくロマンを満喫していると思います。邪馬台国の所在をめぐっては、江戸時代から様々論争が続けられています。
候補地は40個所はあるでしょうか。なかでも九州には候補地が多数あります。「ここは邪馬台国の候補地ではありません!」と宣伝したらかえって観光スポットになるのではないかと思えるぐらいの「邪馬台国候補地銀座」状態です。さらに卑弥呼は『古事記』に出てくる天照大神(アマテラスオオミカミ)だったという説や、第十四代仲哀(ちゅうあい)天皇の妃、神功皇后(ジングウコウゴウ)ではないかなど、 諸説繚乱しています。桜井市の「箸墓古墳」が卑弥呼の墓との主張が正しいなら、「箸墓古墳」は 『日本書紀』 によれば「倭途途日百襲姫」(ヤマトトトヒモモソヒメ) の墓だとされているので、卑弥呼=トトちゃんとなります。専門家の皆さんの永年の研究成果でしょうが、失礼ながら一見これも「言ったもん勝ち」のように素人の私などには思えます。
ちなみに私は、邪馬台国は会津若松にあったのではと思っています。卑弥呼も邪馬台国も全国民共有の歴史資産と言えます。確定されてはなりません!
えっ?勾玉(まがたま)もネコでしょって?そ、そう言えばそうですね。そう、あれはネコです。ネコが丸くなって寝ているところに決まっています。どっちが頭かって?うーん、今から考えます。
1958年、大阪府生れ。
奈良県立医科大学卒。国立循環器病センターレジデント、セント・ビンセント病院(シドニー)フェロー、国立シンガポール大学など海外の病院に勤務。
92年に帰国後、新東京病院、医療法人公仁会大和成和病院、大崎病院東京ハートセンターなどを経て、現在は昭和大学横浜市北部病院循環器センター教授として、年間200例以上の心臓外科手術を行なっている。心拍動下(オフポンプ)冠状動脈バイパス手術のスペシャリスト。
著書に『ブラック・ジャックはどこにいる?』『心臓は語る』『患者力』『釣られない魚が大物になる』『心臓外科医の挑戦状』『医者の涙、患者の涙』などがある。
心臓外科医 南淵明宏公式サイト:http://www.nabuchi.com/