心臓外科医 南淵明宏のコラム「不猫之猫」2

不猫之猫 

column フニャンのニャン vol.2

心臓外科医 南渕明宏の不猫之猫

当協会杉本彩と旧知の仲である天才心臓外科医 南淵明宏先生の猫コラム「不猫之猫(フニャンのニャン)」
ネコがいないと眠れない「NO ネコ, NO LIFE. 」の先生が綴る猫との暮らしや猫の魅力、猫から学ぶ生き方論など。ほっこり癒される先生のニャンコ日記をどうぞご一読ください。

「ネコは死なない」「猫肥家潤」(2025/11/25)l ニャン方後円墳説(2025/07/14)

「ネコは死なない」「猫肥家潤」

15年ほど前、私の友人が本を書いたというので原稿を見せてもらいました。
「今のところ出版してくれるとこないんだよねぇ」
と相談されました。「人は死なないんだよ」というのが本の主旨です。
内容はたいへんユニークで、亡くなった人と話ができる自分の体験を語ったもの。
それも「いつからそんな能力が?」と尋ねると「3歳の時から」
「もうちょっとみんなが納得するように7歳ぐらいとかにしておいたら」
とアドバイスしたのですが聞き入れられませんでした。
彼は東大医学部の教授をしていたこともあり、出版されて10年以上、売れ続けています。

皆さんには釈迦に説法ですが、ネコも死にません。
二番煎じで私も「ネコは死なない」という題名で本を書いたら売れるかもしれません。
むかし私は寒い夜、いつも首筋がスースーしていました。しかしある晩、うとうとしていると、数年前にお隠れになった「ニャン吉」が、私のクビの周りにちょうどラグビーのセービングのように巻き付いてくれて、それ以来どんな寒い夜でもスースー感じなくなりました。こんな経験はネコ好きの人には日常茶飯事だと思います。
そういった「ネコって、死なないんだよねぇ」という当たり前の感覚を共有してもらおう、と思うのですが、まず本になるかどうか。出版社に本にしていただけるかどうか。出版社も売れる見込みがない本は出しません。とはいうものの、何が当たるか予想は難しい、というか予想は不可能です。

先日自由国民社の方に『にゃんたま』という写真集を頂きました。これが大当たりで、アメリカでも火がついているそうです。なかなかニッチな視点の写真集ですが、とにかく売れているとか。
「本は題名で売れる」とも言われています。
『ネコは死なない』はなかなかいい題名だと思いますが、もう一つ思いつきました。『猫肥家潤』はどうでしょう。
先日毎日新聞で見つけた言葉です。見た通り、『明眸皓歯』『臥薪嘗胆』『興亜滅欧』と同じく中国語の四文字熟語。前の台湾の中華民国総統・蔡英文さんがネコ好きであったとの記事で見ました。同居しているネコが豊潤であることでその家も繁栄するという意味だそうです。これは茶室の「和敬清寂」の横書きの額みたいに、書家に頼んで書いてもらってみんさんの「にゃ室」に掲げておくのに適していると思います。

 書名は両方くっつけて、「ネコは死なない~猫肥家潤」にしようかな。

(2025/11/25 次回に続く)

ニャン方後円墳説

前方後円墳

 古代史は面白いですわかっていないことがいっぱい中でも巨大な前方後円墳鍵穴のような形はどうしてああなったのでしょう?大きさや向きがまちまちなぜでしょう?濠で囲まれていたりいなかったりそれに誰が埋葬されているのか面積は巨大ですが、高さがありません!なぜでしょう
しかし前方後円墳の横から見たお姿は、 なんとも癒されます 落ち着いた、優雅な造形です神々しさの象徴とも言えます
私は昔から「あれはネコだ」と考えてきました後円部のやわらかな盛り上がりはネコのお尻そのものつまりあれはネコがうずくまっているところを形どったもの、という理解ですエジプトには、紀元前に造営されたスフィンクスがありますが、あれはどう見てもネコですネコは弥生時代、稲作とともに来朝したとされていますきっとまねしたのでしょう前方後円墳は早くても三世紀ですからそこで私は「前方後円墳は『ニャン方後円墳』だ」説を提唱したいと思います言ったもん勝ちの論法ですが…

 私は小さいころ奈良県橿原市八木町の札ノ辻に住んでいました周辺には、35の大王様の宮殿跡15柱の陵墓その他無数の古墳耳成山、 畝傍山、 香具山の大和三山に囲まれ東に三輪山西に二上山と古代日本の中心地です育ちは貧乏ですが育った環境は歴史リッチでした

 「ウチのイナカにゃあ、 なーもねぇだ!」とか思っている人もいるかもしれませんがそもそも「なーもねぇ」ところなんてこの日本列島にあるのでしょうか古くからいろいろな人々が住みついて人生を過ごしてきたこの大地はそれらをすべて刻み込んでいるはずです
古代史と言えば邪馬台国そしてその女王卑弥呼!「きっと杉本彩さんみたいな強靭な女性だったんじゃないか」など、皆さん想像力たくましくロマンを満喫していると思います邪馬台国の所在をめぐっては江戸時代から様々論争が続けられています
候補地は40個所はあるでしょうかなかでも九州には候補地が多数あります「ここは邪馬台国の候補地ではありません!」と宣伝したらかえって観光スポットになるのではないかと思えるぐらいの「邪馬台国候補地銀座」状態ですさらに卑弥呼は『古事記』に出てくる天照大神(アマテラスオオミカミ)だったという説や第十四代仲哀(ちゅうあい)天皇の妃神功皇后(ジングウコウゴウ)ではないかなど、 諸説繚乱しています桜井市の「箸墓古墳」が卑弥呼の墓との主張が正しいなら「箸墓古墳」は 『日本書紀』 によれば「倭途途日百襲姫」(ヤマトトトヒモモソヒメ) の墓だとされているので、卑弥呼=トトちゃんとなります専門家の皆さんの永年の研究成果でしょうが失礼ながら一見これも「言ったもん勝ち」のように素人の私などには思えます
ちなみに私は、邪馬台国は会津若松にあったのではと思っています卑弥呼も邪馬台国も全国民共有の歴史資産と言えます確定されてはなりません!
えっ?勾玉(まがたま)もネコでしょって?そそう言えばそうですねそうあれはネコですネコが丸くなって寝ているところに決まっていますどっちが頭かって?うーん今から考えます

(2025/07/14 次回に続く)

南淵明宏

心臓外科医 南渕明宏

1958年、大阪府生れ。
奈良県立医科大学卒。国立循環器病センターレジデント、セント・ビンセント病院(シドニー)フェロー、国立シンガポール大学など海外の病院に勤務。

92年に帰国後、新東京病院、医療法人公仁会大和成和病院、大崎病院東京ハートセンターなどを経て、現在は昭和大学横浜市北部病院循環器センター教授として、年間200例以上の心臓外科手術を行なっている。心拍動下(オフポンプ)冠状動脈バイパス手術のスペシャリスト。
著書に『ブラック・ジャックはどこにいる?』『心臓は語る』『患者力』『釣られない魚が大物になる』『心臓外科医の挑戦状』『医者の涙、患者の涙』などがある。

心臓外科医 南淵明宏公式サイト:http://www.nabuchi.com/

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