2019年の春当協会Evaに、某有名ペットショップチェーン店に勤めていたAさんとBさんから、内部告発がありました。AさんとBさんは、内部の写真撮影が店側に知られ、その後出勤停止の解雇扱いとなりました。AさんとBさんが訴えるペットショップの実態をここに公開します。
店は、常に30頭ほどの犬を、2、3人でケアするため慢性的なスタッフ不足でした。店内の犬猫のケアが十分にされず、店内はホコリだらけでショーケースの中も汚れていました。
10畳ほどの広さのバックヤードは、本来はトイレやおもちゃ、ブランケットなどを洗濯したり乾かしたり、またゴミ置き場になるスペースです。しかし、このバックヤードには、病気になった売り物の犬猫や、新商品として入荷された犬猫、そしてペットホテルとして預かった犬猫が狭いケージに入れられ置かれています。バッグヤードは不衛生だったので、ゴキブリが大量発生していて餌の中にも入り込んでいました。新しく入って来た犬猫は、ショーケースが埋まっている為、小動物用の飼育ケージやクレートに入れられたまま放置されます。
店員の多くは、店の現状を知り嫌悪感を抱くのと、あまりの激務による精神的負担が大きく、一定の期間で退職してしまいます。また繁華街の中心に位置する店だったので、単に犬を抱きに来るだけの客の対応にも日々追われ、犬猫の細かい世話まで手が回りませんでした。
2018年の年末に店に入ってきた白いポメラニアンは、当初は元気でしたが、入って来た時からずっと小動物用のケージに入れられていました。ケージの中で糞尿は垂れ流し、鳴き過ぎて声も枯れ、その後下痢をするようになりいっきに体調が悪くなりました。一度も表に出たことがないため「出させて欲しい」と言うと「下痢だから様子を見てから」と言われました。体調が戻らなければどこかに移送されるそう。
黒い柴犬も、新商品として入ってきましたが、表に出さないまま、水も確保されてない小さなケージで過ごしました。その後下痢が止まらなくなり次第にぐったりしてきました。
餌は1日2回、掃除はトイレシーツを交換する時の1日1回でその時だけ触れます。餌の量は、犬猫の顔半分ぐらいの目分量と言われ、計らずその都度スタッフの感覚で与えられていました。体調が悪い犬猫がいると、写真や動画を撮り獣医師ではないエリアマネージャーに連絡し「下痢だ」「風邪だ」と判断され、店長含め社員の判断で薬を投与していました。
他県のスタッフからの情報では、薬用量を決定するまでに測定が必要なものや、用量を厳格に定める必要がある薬でも素人判断で処方していました。それらの薬は、薬用量が多すぎると、震えや痙攣、過度の興奮などが出る可能性があるので、素人が処方するには危険を伴うものでした。
表向きは、動物病院が併設しているように見えますが、実際に獣医師が来るのは月に2回。そのため薬のあげ忘れが多発していました。
猫カフェの待機猫もバッグヤードに置かれています。猫カフェの猫は、一歳未満の売れ残りの雌。体調の悪い猫や痩せている猫、発情がきた猫は、バックヤードで一定期間入れたまま。表に出すか出さないかは店長が決めています。
勤めて一年半、やっとあの地獄から解放された。今までは在犬達を守るのが必死で、何が正しくて、何が正しくないのか…、気付かない振りをすることしか出来なかった自分が情けない。
ここに書いていいのかも分からないけど、酷い時には月に10頭ぐらいとサヨナラした事もあった。新しい家族が見つかる事もなく、愛される幸せも知らないままの小さい子達を何度も見送ってきて、その子達はそのまま包まれて冷蔵庫に入れられクール便で本社に送られる。マイクロチップの確認の為に送るとだけは聞いていたけどその後はよく分からないままで。
まだ免疫力もなく小さい子達が30~40頭いるのにも関わらず、少ない時は2人で店を回さなくちゃいけないプレッシャーとの闘いもあったし、みんながみんな健康で元気なワケじゃない。
獣医師が常駐しているワケじゃないから、急に具合が悪くなった子達は、獣医師に電話したり、ほかの店舗のスタッフと連絡を取り合って必死に看病するしかなかったし、病院に連れて行く事も出来なかったから、何もしてあげられないまま亡くなる子がいたのも事実。ケガ、病気で販売出来ないからって理由で行き先がどこか分からないまま、バリケンには里親行きとだけ書いて見送る。半年過ぎても決まらなかった子は、自家繁殖してるから、そこに繁殖候補生として送られる。たくさんたくさん別れもあった。
その状況に耐えられなくなって辞めようとした時、上の人間から言われた一言が未だに忘れられない。「それで辞めてったら、今いる子達はどうなるの?」って、それは気がかりだったし、結局、辞めるまでそれはずっと言われ続けたけど、あれはあの状況に置かれるスタッフにしたら脅しでしかなかった。
獣医師しかやっちゃいけない注射の練習もさせられ、系列店の猫カフェの猫ちゃん連れて来たかと思えば、絶対亡くなる病気だから亡くなると思うけど看病しとけって言われるし、最後の最後まで地獄のような毎日。本当に、店の子達は悪くない、むしろみんな幸せにしてあげられなくてごめんねって思うし考えるときつくなる。助けてあげられなかった子達は未だに覚えてるし、思い出したらやっぱり涙が出る。
うちの4ワンもそこの出身、つまりペットショップ出身。ペットショップが100%ダメとは言わないけど、あそこみたいな所があるって考えるとなくなった方がいいと心から思う。考えれば考えるだけ苦しくなってきたから何が書きたかったか分からなくなってきたけど、この状況のまま店舗増やそうとしていること自体狂ってるから、どこかで止めないと…。やっぱり闘うしかなさそうです。
私は7年間動物愛護活動をしていて、内部を知りたくて今年バイトをしました。
結果から言うと予想以上に悲惨だったのですが…。ホテルをやってないとツイートにありましたが、店舗でペットホテルやってます。トイレも毛布も無し、割いた紙をぐしゃぐしゃに入れただけのスペースに入れられ、犬は糞まみれだしゴキブリの一大繁殖地になっていました。
営業時間中は販売中の犬と同じくサークルを並べて誰でも触れる状態にしていました。小型犬のサークルに成犬3匹入っていることもありました。もちろんお客は触り放題で消毒もありません。
私は〇〇県ですが、2年前に写真と同じようなケージに入れたり、お客が買ったけど迎えは後日って場合は、内金済みって書いて裏に下げられて大きい犬もケージに入れられてたりしました。ふたが閉まらないから、犬をぎゅっと押さないといけなくて、24時間このピクニックみたいなケージに入れられ、ウンチしても身動きできず本当にかわいそうでした。生後間もない子犬、子猫もトラックで運ばれて来たときはグッタリ。獣医師も本物なのか?と思うほど注射が下手で子犬がビビリまくり。
ホテルは、裏に置いているだけ。散歩など一切ないですからね。私が飼い主ならあんな汚いところだと病気になったり感染症になりそうで怖いから絶対預けません。薬なども裏に置いてあり、店長の判断であげてました。店長も素人ですよね。
第1種動物取扱業者のうち、犬猫の販売や、販売のための繁殖を行う者は「犬猫販売業者」といい、取り扱う動物の健康状態を日常的に把握し、必要であれば獣医師による診療を受けさせ、そこにいる動物の感染性の疾病予防のために必要な措置を実施しなければなりません。(動物愛護法21条の2)
一企業として獣医師でもない無資格者に日常的に獣医療行為をさせることは、コンプライアンス上非常に問題があり、上記の21条の2に反する行為でもあります。
またペットホテルに関しては、預かり場所として掲載していた販促物の内容と実際と異なる場合、以下の責任が生じます。
などが生じます。ペットホテルに預ける時は、実際の預かり環境を自分の目で確認してからご契約してください。預かり環境を見せない所は、見せられない理由があるはずです。
このようなペットショップの管理状況は、表面上は分からず内部で働いたスタッフの告発で明るみになります。バッグヤードで命を落としたり、病気であるにも関わらず適正な治療を受けられず、長期に渡り苦痛を強いられている動物は、全国に数多くいるでしょう。
現場でこのようなネグレクトを見かけたら、迷わず管轄の行政に、写真や動画及び状況を的確に説明し、行政指導に入ってもらうよう通報してください。また緊急性のある場合は、最寄りの警察に通報してください。
動物愛護法第44条罰則
愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、二年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。
2 愛護動物に対し、みだりに、給餌若しくは給水をやめ、酷使し、又はその健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束することにより衰弱させること、自己の飼養し、又は保管する愛護動物であつて疾病にかかり、又は負傷したものの適切な保護を行わないこと、排せつ物の堆積した施設又は他の愛護動物の死体が放置された施設であつて自己の管理するものにおいて飼養し、又は保管することその他の虐待を行つた者は、百万円以下の罰金に処する。
罰則は、2020年6月の施行日から引き上げられます。
動物殺傷:5年以下の懲役又は500万円以下の罰金
遺棄・虐待:1年以下の懲役又は100万円以下の罰金
殺したり傷つけるのはもちろんのこと、不適正な飼養も虐待にあたります。動物を救えるのはその現場で察知した人です。臆せず見逃さないことで動物虐待を防いでください。
命の大量生産・大量販売はなぜ終わらないのか?
それは、わたしたち消費者がのぞむからです。
犬や猫の健康より利益優先の繁殖屋はこう言います「買う人がいる以上、売れるものなら何でも作る」と。
繁殖屋からペットオークション、そして店頭に辿り着くまでどれだけの幼い犬猫が流通過程で命を落としているかは不明です。流通段階で亡くなった犬猫の数は、いわゆる殺処分数には入っておらず、まさに唯一無二の尊い命は、闇から闇へと葬り去られます。
そして無事ペットショップに入荷になったとして、あとは優しい飼い主との運命の出会いを待っていれば良いのか?いえ、そこで理想の飼い主のもとに迎えられたごく一部の犬猫は、奇跡的な「命拾い」をしたと言えるでしょう。