当協会Evaには、日々動物虐待の通報が寄せられています。
この度、2024年度令和6年4月から令和7年3月末の通報内容について集計しましたのでここにお知らせいたします。
まず情報源だが、2023年度の統計と比べると、通報者が当事者であるケースでなく、インターネットからの情報が一番多い結果となった。動物虐待に対する世間の目が厳しくなっていることで、ネット上で動物虐待や劣悪な飼養環境などを目撃した方からの通報が増えている。なお、ネットの内訳はyoutubeなどの動画サイトはもちろん、手軽に拡散できるX(旧:Twitter)やInstagram、TikTok等から情報を得ていることが多い。ネット情報の場合、いつ起きた事なのか、行為者は誰なのか、場所の特定等情報の精査に時間がかかると共に証拠固めが難しい。しかし、通報が多ければ警察が捜査に踏み込む場合もある。ネット上で明らかに動物を殺したり傷つけている写真や動画を目撃したら、ぜひお近くの警察署にご通報をお願い致します。
虐待の行為者を見ると、前年度と同様、第二種動物取扱業者の問題も多い。表向きは「動物愛護・保護譲渡」を掲げながら、実際は多頭飼育崩壊を起こし、適切な医療にもかけずに寄附金を集めているという通報もあった。街頭での動物を連れた募金活動の通報もあった。また、前年度と比較して、繁殖業者の通報が増えた。非常に劣悪な環境で飼育され、給餌給水もまともにできていないなどの内部通報や、繁殖業者から直接購入後、感染症や遺伝性疾患が見つかるなどの消費者被害の通報も多かった。そして、動物園やふれあいカフェの通報も多かった。犬や猫など身近な動物だけでなく、野生動物を動物福祉に全く配慮していない環境で展示をする施設が増えている。象がブルフックで殴られながら芸当を強いられていたとの通報もあった。
被害動物は犬が最も多い結果になった。これは当協会に通報があった虐待行為者として、犬の繁殖業者が多かったことに起因するものと考えられる。
通報の中には信憑性や具体性に欠ける情報であったり、ネット上の人間関係のトラブルなど問合せに応える範疇を超えるものも多数ある。また社会の目が厳しくなり、犬の外飼いについて暑さや寒さをしのげない小屋で飼育されていて可哀想だというご通報も多かった。
ネットに投稿されたものの中には乱暴な扱いも見受けられるが、不適正な飼養管理状況、虐待を受けるおそれがある事態(規則第12条の2)につき改善の余地があるかどうか、若しくは動愛法の愛護動物殺傷罪や虐待罪に該当するかなど見極めが必要だ。
刑事告発に踏み切れるかどうかは証拠次第になりますので、動物虐待の内容でご通報される場合、具体的な証拠のご提供と客観的な情報の精査をお願いいたします。引き続き情報のご提供をどうぞよろしくお願いいたします。
通報前にご確認ください!