環境省 統計資料「犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況」平成30年度より
犬猫あわせH30年度(2018年)だけで91,939頭もの犬猫がセンターに引き取られています。
「飼い主から」は文字通り、飼い主が何らかの理由で持ち込むケースです。
「所有者不明」は、捨てられたり(遺棄)迷子になって捕獲された犬猫と、やむなく外で暮らすこととなった犬猫やその子孫です。
そして飼い主からの持ち込み理由は「引っ越すから」「子供がアレルギーだから」「(飼い主が)高齢になり面倒をみられなくなった」「ペットが病気になった」「ペットが高齢になった」などが多く、そしてさらに信じがたい理由として「トイレを覚えない」「鳴き声がうるさい」「可愛くない」「子供が飽きた」など無責任な飼い主の一方的な理由があげられます。
2013年9月1日に施行された改正動物愛護法により、飼い主や動物取扱業者にも動物がその命を終えるまで適切に飼養する「終生飼養」が明示されたこともあり、現在は自治体が引き取りを拒否できる措置が設けられたため、持ち込み頭数の減少はあると思います。 ですが、持ち込み頭数が減ったとしても、「もう飼いたくない、手放したい」と思う感情の減少にはつながりません。
ではなぜ、一度は家族の一員として犬猫を迎えたのに飼育放棄をするのでしょう。
その理由はやはり安易な購入ではないでしょうか。友達が飼い始めたから、家に居たら癒されるかも、ぬいぐるみみたいで可愛いから。一方購入時に店舗側から、動物を飼う際の手間やその種の説明、そして15年~20年という長期に渡る金銭的負担などの説明責任がなされていないことも大きな原因のひとつだと思われます。
年々処分数は減ってはいるものの、それは動物愛護団体の引き出しによる所が大きいです。
ですが、動物愛護団体にも収容キャパがあります。過剰な引き出しは、動物愛護団体の崩壊も招きかねません。殺処分ゼロを目標としながら、センターに入る動物をいかに少なくするかが大切です。それには一般消費者は安易な消費行動を避け、責任を持って終生飼養することで殺処分を減らすことにつながります。
環境省 統計資料「犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況」平成30年度より
( )カッコ内は、幼齢個体数。
*①譲渡することが適切でない(治療の見込みがない病気や攻撃性がある等)
*②愛玩動物、伴侶動物として家庭で飼養できる動物の殺処分
*③引取り後の死亡
飼う前に考えて!
(環境省自然環境局 動物愛護管理室資料)
ペットは可愛いだけでは飼えません。
ペットが起こしたトラブルは飼い主の責任です。万が一人のトラブルの場合、しつけをして状態を改善する余裕がありますか。
今後家族構成の変化がおきた場合、犬や猫のお世話まで手が回りますか。その時を想定して犬や猫を迎えられますか。
今後万が一引越しをする場合、ペット可の住宅を探すことはできますか?引越し先に連れていく事ができない場合は、責任を持って良い里親さんを探せますか。そこに労力をかける余裕がありますか。