海外の動物福祉はどう進んでいるの?

海外の動物福祉はどう進んでいるの?

日本は海外と比較すると動物への配慮が足りていない国だと言われています。では世界の国々には、動物福祉に考慮した、どのような法律や対策があるのでしょうか。ここでは海外の取組みを分類別にご紹介します!

海外事例・伴侶動物

海外事例・実験動物

海外事例・畜産動物

伴侶動物(犬・猫など)
1. 生体展示販売について
内容
英国

(※1)

・イングランド:2020年4月から生後6か月未満の仔犬仔猫ブリーダー以外による販売を禁止

⇒生後6か月未満の仔犬仔猫を飼う場合、保護施設か認定を受けたブリーダーから迎える。

・ブリーダーは購入者に仔犬仔猫をその母親と一緒に見せなければならない

ドイツ

(※2)

生体販売自体に規制はないが、ペットショップでの犬猫の販売はない。⇒国民の動物愛護精神が高いことや、犬の飼育に関する規制が厳しいことによるもの。

・犬や猫を迎えるには、保護施設「ティアハイム」で暮らす動物の里親になるか、ブリーダーからの購入が一般的。

フランス

(※3)

・2024年1月からペットショップやオンラインでの犬猫の販売禁止。
・犬や猫を迎えるには、認定されたブリーダーから購入するか、保護団体から引き取る。

米国

(※4)

・ニューヨーク州:2024年12月からペットショップでの犬、猫、ウサギの販売禁止

※ロサンゼルス市やカリフォルニア、イリノイ、メリーランドなどの州も同様の販売禁止措置を講じている。

日本

展示販売自体については規制なし。
※動物愛護管理法第22条の5により、8週齢未満の仔犬・仔猫の販売を禁止している(天然記念物の日本犬を除く)が、多数の業者が違反していることが判明(詳しくは▶2024年2月環境省調査)

(※1)https://www.bbc.com/japanese/45279524
(※2)https://www.jiji.com/jc/v4?id=2013tierheim_berlin0005
(※3)https://digital.asahi.com/articles/ASPCM5JTGPCMUHBI00V.html?msockid=218ad297c1c7614617c1c17bc0c66080
(※4)https://jp.reuters.com/article/world/24-idUSKBN2T00CY/

2. 飼育に関する規制について
内容
英国

(※1)「動物福祉法2006」で、5つの自由について条文に規定

・Eカラー(電気ショックを与えて無駄吠え等をやめさせる訓練用首輪)の禁止

犬の断尾・断耳は禁止。それらの対象となる犬の輸入禁止

・犬、猫のマイクロチップ装着義務あり。

ドイツ

(※2)

・犬の保有者には犬税が課せられる。

・屋外飼育:雨風をしのげる小屋と、小屋の外に日陰で断熱された寝床を用意すること

・屋内飼育:自然採光と新鮮な空気を確保すること

・屋外での十分な運動、飼育者との十分な接触
など、犬に関する命令あり。

これらの規制がペットショップにも適用されるため、生体展示販売を間接的に抑制している。

フランス

(※3)

・購入者は、飼育に責任を持つなど誓約書類の提出義務が課され、衝動買い防止のため署名から購入までに7日間空ける必要がある。

・18歳未満の未成年者には親の同意が必要。

スイス

(※4)「世界で最も厳しい動物保護法」と言われている。

・犬にマイクロチップを装着、中央データベースへの登録義務。

・犬の断尾・断耳は禁止

・犬税あり。

・飼育方法や設備等の規制も厳格。
・モルモットやウサギ、インコなど社会性のある動物は、2匹(羽)以上で飼うことが義務付けられている。

日本

・動物取扱業に対しては飼養管理基準が省令で制定。
⇒違反すれば管轄の自治体による指導や行政処分の対象となるが、自治体の運用面に課題があり、違反を繰り返しても指導に留まるなど現在のところ実効性がない

・一般所有者には責務規定があるが、努力義務(動愛法7条)
・犬猫のマイクロチップ装着義務あり(動愛法39条の2)

・アメリカは州によって規制が様々であるため、記載は省略しています。
(※1)https://www.env.go.jp/council/14animal/900434945.pdf
(※2)https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_8748098_po_0830.pdf?contentNo=1
(※3)https://digital.asahi.com/articles/ASPCM5JTGPCMUHBI00V.html?msockid=218ad297c1c7614617c1c17bc0c66080
(※4)https://www.fedlex.admin.ch/eli/cc/2008/416/fr#a16

畜産動物
1. 飼育に関する規制について
内容
英国

(※1)

【鶏】
採卵鶏のバタリーケージは、世界に先駆けて2012年から廃止
・エンリッチドケージでの飼育は一定条件を満たせば可能。
・採卵鶏の飼育密度:平飼いは1平方メートルあたり9羽以下。

・肉用鶏の飼育密度:1平方メートルあたり33kg以下。
・絶食、絶水による強制換羽の禁止。

フォアグラの生産禁止。輸入・販売も禁止の方向で見直す予定。
 

【豚】

妊娠ストール禁止

・日常的な断尾、歯切りの禁止。

・生後7日以降の去勢・断尾は麻酔と鎮痛剤の処置が必要。

・生後28日未満の仔豚の離乳を原則禁止。
 

【牛】

乳牛の断尾禁止。

【その他】

・肥育や屠殺のための生きた動物の輸出を廃止

ドイツ

(※2)
【鶏】
採卵鶏の飼育環境を表す記号を卵に表記する義務がある(有機農業+有機飼料で放し飼い/放し飼い・従来の飼料/平飼い・狭い/エンリッチドケージ)

採卵鶏のバタリーケージ禁止

※エンリッチドケージも2025年までに廃止
絶食、絶水による強制換羽の禁止。
・肉養鶏のケージ飼育禁止。
・くちばしの切断を原則禁止。

 

【豚】
妊娠ストール禁止
分娩ストール禁止(決議済み。2027年までに禁止する方針)

・日常的な断尾、歯切りの禁止。

・生後7日以降の去勢・断尾は麻酔と鎮痛剤の処置が必要。

・生後28日未満の仔豚の離乳を原則禁止。


【牛】
・子牛のケージ飼育禁止。

【その他】
・フォアグラ生産のためのアヒル、ガチョウのケージ飼育を禁止。強制給餌禁止(決議済み。2027年までに禁止する方針)

韓国

(※3)
【鶏】

採卵鶏の飼育環境を表す記号を卵に表記する義務がある。
・採卵鶏の飼育面積:1羽当たり750㎠(2018年~)
※EUの飼育面積の基準に従う。

・放し飼いの農場拡大を目指し、工場畜産から切り替える農場には国が必要な費用、指導・教育を提供する
・アニマルウェルフェア委員会の設置。
・アニマルウェルフェア畜産場の認定制度の導入。

【豚】【牛】
・断尾、除角、去勢をする際は獣医の手順に従う必要がある。

【その他】

輸送中の適切な給餌給水の義務。
・輸送中または積み下ろしの際に怪我防止策を講じる義務。

米国

(※4)
【鶏】国全体の法規制はなく、各州で規制がある。

(2024年3月時点)国内でケージフリーの採卵鶏は全体の40%
・2026年までに、国内の食品小売業者上位25社全て100%ケージフリーへ切り替え。

【豚】

豚の妊娠ストール禁止(10州)

・カリフォルニア州:拘束飼育を禁止。基準に満たない環境で生産された卵・牛肉・豚肉の販売禁止。他州から仕入れる場合も同様。
住民投票によって決定。消費者自身の選択。

【牛】
・乳用子牛の個別ペンでの飼養は、十分なスペースがあり、子牛同士が視界に入るなどの条件が満たせる場合のみ可能。
乳牛の断尾禁止(カリフォルニア州、オハイオ州、ロードアイランド州、ニュージャージー州)

 

【その他】
フカヒレの販売を禁止。

日本

規制なし

・農林水産省がアニマルウェルフェアに関する飼養管理指針を畜種ごとに作成し、推進を地方農政局等に通知するに留まる。

・畜産関係の業者は、動物取扱業の対象すら除外
問題があっても指導監督できる者がいない


(※5)認定NPO法人アニマルライツセンターの調査によると、
採卵鶏の飼育面積:1羽あたり285(鶏の大きさより狭い)
・肉養鶏の飼育密度:50~56㎏
※農水省は、鶏の飼養戸数と飼養羽数は統計を公表しているが、飼育面積や密度など飼養環境が分かるデータは出していない。

(※1)・採卵鶏:https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/LSU/?uri=CELEX:31999L0074&qid=1564485278949
・肉用鶏:https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?qid=1563979471115&uri=CELEX:32007L0043
・豚:https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?qid=1563979393143&uri=CELEX:32008L0120
(※2)https://www.bund.net/bund-tipps/detail-tipps/tip/kein-ei-mit-der-3/
https://albert-schweitzer-stiftung.de/massentierhaltung/huehner/legehennen
(※3)https://www.koreatimes.co.kr/www/biz/2017/08/367_235711.html
https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002347.html
(※4)https://www.ers.usda.gov/data-products/chart-gallery/gallery/chart-detail/?chartId=109075
https://ballotpedia.org/California_Proposition_12,_Farm_Animal_Confinement_Initiative_(2018)
https://awionline.org/press-releases/america-competes-act-passes-house-big-wins-animals
https://www.humanesociety.org/sites/default/files/docs/hsus-report-tail-docking-dairy-cows.pdf
https://www.alic.go.jp/joho-c/joho05_002306.html
(※5)https://www.hopeforanimals.org/eggs/japans-egg-laying-space-is-less-than-half-of-the-worlds/

2. 屠畜に関する規制について
内容
英国

(※1)屠畜方法について規定あり。
・屠畜における苦しみ、痛みは回避させなければならない。意識喪失させた動物は、死ぬまで意識を失わせ続けなければならない。
→屠畜前のスタニング(意識喪失)の義務。
・清潔が保たれ、怪我もない状態で収容されなければならない。
・長時間、給餌給水しないことを禁止。
・意識のある動物の吊り上げ・吊り下げの禁止。
・足の結束を禁止。

・40%以上の高濃度の二酸化炭素に曝露する屠畜は禁止。
⇒英国は、鶏の屠畜において、より恐怖や苦痛、意識喪失の失敗が少ないガススタニングへの移行が進んでいる。

ドイツ

(※2)屠畜方法について規定あり。
卵を産まないオスのひよこの殺処分を禁止(世界初)
ほか上記イギリス(オレンジ部分)と同様。

韓国

(※3)屠畜方法について規定あり。

・屠畜の過程で不必要な痛み、恐怖、ストレスを与えないこと
・屠畜時の苦痛を最小限にしなければならない(例:ガス、スタンガンの使用など)
・動物が無意識のうちに屠畜のステップに進むものとする。

米国

(※4)屠畜方法について規定あり。
・「連邦人道的屠殺法」により屠畜前のスタニング義務あり。吊り上げる前に迅速かつ効果的な方法で気絶処理を行わなければならない。
・米国農務省は国内の食肉処理場での処理に関連する記録を公開

日本

規制なし(動愛法第40条に動物を殺す場合の方法について「できる限りその動物に苦痛を与えない方法によってしなければならない」と規定はあるが、守られていない。)

【日本での屠畜方法】

↓以下文章のみですが、苦手な方は閲覧をお控えください

(※5)▼
認定NPO法人アニマルライツセンターの調査を参照
【鶏】ほとんどの食鳥処理場で屠畜前意識喪失なし
①意識のある状態でシャックルに引っ掛けて逆さ吊り
②意識のあるまま首を切って失血、放血させる
③熱湯で茹でる。
意識喪失させず首を切るため、もがいて暴れることから、切断が不十分で放血時間内に死にきれず、生きたまま熱湯に入れられるケースも多い。⇒火傷による反応で皮膚が真っ赤に変色するため廃棄

(※6)▼公益財団法人 日本食肉生産技術開発センター資料を参照
【豚】意識喪失あり
①電額器を頭部に当て、脳内に電流を通過させる。
②腕頭動脈を切断し、放血させる。

【牛】意識喪失あり
①スタンナーによる打額または電気刺激により気絶させる
②大きな動脈を切断し、放血させる。

ただし、屠畜前の意識喪失には失敗もある(海外も日本も同様)。
(※1)https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/LSU/?uri=CELEX:32009R1099&qid=1563358593157
https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=celex%3A32009R1099
(※2)https://albert-schweitzer-stiftung.de/massentierhaltung/huehner/legehennen
(※3)https://www.law.go.kr/LSW/eng/engLsSc.do?menuId=2&section=lawNm&query=animal+protection+law&x=0&y=0#liBgcolor1
(※4)https://awionline.org/legislation/humane-methods-slaughter-act
(※5)https://sippo.asahi.com/article/15163338
(※6)https://www.jamti.jp/pdf/tech10-1.pdf

3. 毛皮・羽毛に関する規制について
内容
英国

(※1)
犬、猫、アザラシの毛皮の製造、販売、輸出入禁止
・毛皮農場の禁止(2003年)⇒生産禁止

毛皮の輸入・販売も禁止の方向で見直す予定

イタリア

(※2)
・犬、猫、アザラシの毛皮の製造、販売、輸出入禁止

毛皮生産を禁止(2022年)

ニュージーランド

(※3)
ミュールジング(ウジ虫の寄生防止のため、子羊の臀部の皮膚と肉を切り取る行為)禁止
・毛皮の品質表示を義務。

米国

(※4)
・犬猫の毛皮製品の製造・販売・輸出入禁止。
・「毛皮製品表示法」により毛皮製品の製造業者あるいは輸入者名、使われた動物名、毛皮の原産国名などのラベル表示の義務

・カリフォルニア州:毛皮製品の販売禁止。ただし中古品や剝製品、レザー、牛革、羊皮は除外。狩猟免許での合法的な入手も可。

日本

(※5)
・「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」で、新たなミンク農場の開設を禁止(国内の生態系保護が目的)。
⇒2016年に最後のミンク農場が閉鎖
⇒国内すべての毛皮農場はなくなり生産はないが、輸入している
・毛皮用動物の繁殖、販売自体に規制はない

ヨーロッパは、25か国以上が毛皮農場を禁止(参照:https://sippo.asahi.com/article/15039168)
(※1)
・https://www.gov.uk/government/publications/action-plan-for-animal-welfare/action-plan-for-animal-welfare
・https://www.legislation.gov.uk/ukpga/2000/33/introduction?view=extent&timeline=true
(※2)https://www.senato.it/japp/bgt/showdoc/frame.jsp?tipodoc=Emendc&leg=18&id=1325684&idoggetto=1324002
(※3)https://www.farmonline.com.au/story/5635654/new-zealand-bans-mulesing/
https://comcom.govt.nz/business/your-obligations-as-a-business/consumer-information-standards/care-labelling
(※4)https://www.federalregister.gov/documents/2001/08/10/01-20081/dog-and-cat-protection-act
https://www.jetro.go.jp/world/qa/04A-031108.html
(※5)https://sippo.asahi.com/article/15039168

実験動物
1.実験施設等の管理体制について
内容
英国

(※1)
・国が動物実験者や施設、プロジェクト等を管理。
・実験施設:許認可制

・実験施設への査察あり。

EU

(※2)
・実験施設:登録制

・実験施設への査察あり

韓国

(※3)
・実験施設:登録制

・実験施設への査察あり。

米国

(※4)
・実験施設:登録制

・実験施設への査察あり。

日本

実験施設等の関係業者は、畜産と同様、動物取扱業の対象除外
問題があっても指導監督できる者がいない
実験施設の登録も査察もない

どこで、どの動物が、何の目的で、何匹実験に使用されているか日本は把握できていない

(※1)https://www.jstage.jst.go.jp/article/sociotechnica/5/0/5_0_132/_pdf/-char/ja
(※1~4)http://www.alive-net.net/animal-experiments/jikken-Q&A03_201505.pdf

2. 動物実験に関する規制について
内容
英国

(※1)

化粧品の動物実験は販売も含め完全に禁止。EU離脱後も維持。

・2015年、動物実験代替に関するロードマップの策定。

今後、実験におけるイヌ、ミニブタ、ウサギの使用を段階的に廃止する計画を策定

EU

(※2)

・2013年、化粧品の動物実験は販売も含め完全に禁止

・化学物質の安全性評価における動物実験の段階的廃止に向けたロードマップを策定する予定。

韓国

(※3)

化粧品の毒性試験で、代替法がある場合はその使用を義務化

米国

(※4)

化学品の開発で2035年までに哺乳類の動物実験ゼロを目指す

・FDA近代化法成立、新薬の開発における動物実験の義務付け撤廃

※ただし、動物実験を「禁止」するものではない。
・農薬の急性経皮毒性試験における動物実験が免除。

・動物実験が行われた化粧品の販売禁止(12州)

・国全体で化粧品の動物実験を廃止するための連邦法案を提出。

日本

・3Rのうち「苦痛の軽減」は義務規定(法第41条2項)だが、「代替」「数の削減」は配慮事項(法第41条1項)。
⇒義務規定も遵守されているのか把握していないため実効性はない

(※1)https://www.jstage.jst.go.jp/article/sociotechnica/5/0/5_0_132/_pdf/-char/ja
http://www.alive-net.net/animal-experiments/jikken-Q&A03_201505.pdf
(※2)https://www.europarl.europa.eu/doceo/document/TA-8-2018-0202_EN.html
(※3)https://www.hsi.org/news-resources/outh-korea-animal-testing-draft-regulations-011215-jp/?lang=ja
http://www.alive-net.net/animal-experiments/jikken-Q&A03_201505.pdf
(※4)http://www.alive-net.net/animal-experiments/jikken-Q&A03_201505.pdf
https://www.epa.gov/newsreleases/epa-continues-implement-administrator-wheelers-directive-reduce-animal-testing
https://www.epa.gov/newsreleases/epa-finalizes-guidance-waive-toxicity-tests-animal-skin
https://cosmeticsbusiness.com/news/article_page/US_steps_closer_to_animal_ban_with_Humane_Cosmetics_Act_reintroduction/211310

野生動物(アニマルカフェ、ふれあい動物園等への利用)
1. カフェやふれあい動物園への利用、一般のペット飼育に関する規制について
内容
英国

(※1)

霊長類の飼育者にライセンス制度を導入。
⇒動物園レベルの基準に従う必要があり、事実上、霊長類をペットとして飼う慣行を禁止

オランダ(※2)2024年から、ペット飼育できる哺乳類を300種以上の中から30種に限定、それ以外のペット飼育を禁止。
韓国

(※3)
・法的に管理されていなかった野生動物を「指定管理野生動物」と定め、輸出入や流通を原則禁止

・「ホワイトリスト制」を導入し、感染症の伝播や生態系に及ぼすリスクが低いと判断された種のみ輸入可能。

動物園、水族館以外の施設における野生生物の展示を原則禁止

動物園、水族館を登録制から許可制に変更。許可要件を厳格化。

米国

(※4)
・2023年新法制定、トラやライオンなど大型ネコ科動物の所有・繁殖・展示を制限。新たにペットとして飼育することは禁止。

日本

特定動物(詳細▶こちら)の飼養管理:許可制(動愛法25条の2)

国内希少野生動植物種の販売、譲渡、捕獲、輸出入等の禁止。

それ以外の規制はない。

(※1)https://www.gov.uk/government/publications/action-plan-for-animal-welfare/action-plan-for-animal-welfare
https://www.gov.uk/government/news/keeping-primates-as-pets-banned
(※2)https://www.eurogroupforanimals.org/news/netherlands-introduces-new-positive-list-mammals
(※3)https://www.koreatimes.co.kr/www/nation/2024/10/113_322271.html
https://rki.kbs.co.kr/service/news_view.htm?lang=j&Seq_Code=83960
(※4)https://www.congress.gov/bill/117th-congress/house-bill/263
https://awionline.org/press-releases/america-competes-act-passes-house-big-wins-animals

2. ショーやサーカスへの利用に関する規制について
内容
英国

(※1)
・2024年、海外の動物福祉に反した活動のチケット販売や広告を禁止する方針(国内のサーカスにおける野生動物利用は既に禁止)
・スコットランド、イングランド、ウェールズ:サーカスでの野生動物の使用禁止。

オランダ(※2)
・サーカスでの動物の使用・輸送を禁止(家畜の特定の種は例外)
フランス

(※3)
・ポニー乗馬、クマやオオカミのショーを禁止。

・2026年から水族館でのイルカやシャチ等のショー禁止

・2028年から移動型サーカスでの野生動物利用を禁止

韓国

(※4)

・動物へのライド禁止(イルカショーなど)。

米国

(※5)

・大型ネコ科動物の動物園などでのふれあいや幼獣を抱いた記念撮影を禁止
・カリフォルニア州:サーカスでのトラやゾウの使用禁止。

日本

上記1と同様。

(※1)https://www.gov.uk/government/publications/action-plan-for-animal-welfare/action-plan-for-animal-welfare
https://www.gov.uk/government/news/keeping-primates-as-pets-banned
(※2)https://www.ad-international.org/animals_in_entertainment/go.php?id=281&ssi=10
(※3)https://www.legifrance.gouv.fr/jorf/id/JORFTEXT000044387560
https://www.peta.org/blog/new-law-france-protects-animals/
(※4)https://rki.kbs.co.kr/service/news_view.htm?lang=j&Seq_Code=83960
(※5)https://www.congress.gov/bill/117th-congress/house-bill/263
https://awionline.org/press-releases/america-competes-act-passes-house-big-wins-animals

3.イルカ・クジラの飼育に関する規制、その他の規制について
内容
英国

(※1)
【イルカ・クジラに関すること】
・イルカの飼育規制はないが、イルカの飼養施設は国内に無い

【その他】

・象牙の取引禁止。

・狩猟トロフィーの輸入禁止。

カナダ

(※2)
【イルカ・クジラに関すること】
水族館でイルカやクジラ類の保有を禁止
野生のイルカの捕獲、保有、繁殖を禁止。ただし、救助やリハビリのための保有などの場合は例外的に許可。

インド(※3)
【イルカ・クジラに関すること】
・環境森林大臣がイルカを「人類ではない人」だとし、飼育を禁止

・イルカやクジラの捕獲、輸入を禁止。
韓国

(※4)
【イルカ・クジラに関すること】
イルカの輸入禁止
・新規の水族館でのイルカを含む鯨類の飼育・展示・観覧禁止

米国

(※5)
【イルカ・クジラに関すること】
・ハワイ州:イルカのストレスに考慮し、住人や観光客がいるかと一緒に泳いだり、間近で接することを禁止。人々や船舶は約46メートル以内に近づくことを禁止。

【その他】

・国内で侵入種とならないことが判明するまで新たな動物種の輸入を禁止。

日本

(※6)
【イルカ・クジラに関すること】
・水産庁は「クジラ類は水産資源で、科学的根拠に基づき持続的に利用すべき」としている。
・1951年に国際捕鯨取締条約を締結、国際捕鯨委員会に加盟したが、反捕鯨国が過半数を占め、交渉できず2019年6月に脱退。
・2019年7月から十分な資源量が確認されている種類の大型クジラ類を対象に捕鯨業を再開
・世界的に反対の声が多いイルカの追い込み漁も行っている。

(※1)https://www.bbc.com/news/uk-england-35832175
https://www.gov.uk/government/publications/action-plan-for-animal-welfare/action-plan-for-animal-welfare
https://www.gov.uk/government/news/keeping-primates-as-pets-banned
(※2)https://www.thepacificpost.ca/jp/canada/2019/06/10/ottawa-bans-whales-and-dolphines-in-canadian-aquarium/
(※3)https://wired.jp/2013/06/12/dolphin-identified-human/
(※4)https://rki.kbs.co.kr/service/news_view.htm?lang=j&Seq_Code=83960
(※5)https://www.cnn.co.jp/travel/35177370.html
https://awionline.org/press-releases/america-competes-act-passes-house-big-wins-animals
(※6)https://www.jfa.maff.go.jp/j/whale/attach/pdf/index-77.pdf

動物虐待罪の罰則
内容
英国

(※1)
・動物福祉法で、すべての脊椎動物(魚類・甲殻類・頭足類含むへの致傷・虐待行為の禁止事項を明記
動物虐待罪で有罪となれば、裁判所は将来的に動物の飼育や動物と関わる行為について制限する飼育等禁止命令を発することができる。⇒所有権を剥奪できる(※無罪の場合は剥奪できない)
※飼養禁止の動物種の指定や年数も決める。全種類の動物について生涯飼養禁止命令もある。
(2006年動物福祉法第33条参照)

オランダ(※2)
・2024年1月から動物を虐待した者は動物の飼育が禁止される。「生涯飼育禁止」の可能性もある。
・動物の没収は検察官が決定。
フランス

(※3)
・ペットを虐待死させた場合:最大で禁固5年、罰金75,000€(約1,230万円)
・動物虐待で有罪となった者は、永久又は非永久的に動物の所持が禁止される。
(フランス刑法典第521-1条第7項参照)

ドイツ

・動物虐待で有罪となった者がさらに同様の違法行為を行う危険がある場合には、裁判所はその者に対し、動物全般又は特定の動物種の保有、世話、取引、その他業として動物を扱うことを1年以上5年以下の期間又は永久に禁止できる。
(動物保護法第20条参照)

米国

(※4)
・動物虐待への対応は州や地方ごとの管轄であったが、2019年から極度の動物虐待は連邦当局で起訴が可能になった。違反者は最長7年の懲役と罰金。

日本

愛護動物殺傷罪(動愛法第44条第1項)
…5年以下の懲役又は500万円以下の罰金
愛護動物虐待罪(動愛法第44条第2項)
…1年以下の懲役又は100万円以下の罰金
愛護動物遺棄罪(動愛法第44条第3項)
…1年以下の懲役又は100万円以下の罰金
動物の緊急一時保護はできず、虐待者の飼養禁止命令等もない

(※1)https://www.cnn.co.jp/fringe/35179819.html
(※2)https://www.rvo.nl/onderwerpen/dieren-houden-verkopen-verzorgen/dierenmishandeling-dierverwaarlozing
(※3)https://www.legifrance.gouv.fr/jorf/id/JORFTEXT000044387560
(※4)https://www.congress.gov/bill/116th-congress/house-bill/724/text



 このように世界では、イギリスやEU加盟国を中心に、動物福祉に配慮した取り組みが様々な分野で行われています。お隣の韓国でも様々な施策が講じられていますが、日本は特に畜産動物・実験動物・野生動物に関しては、全くと言っていいほど動物福祉に配慮した取り組みはされていないのが現状です。

 畜産動物や実験動物の問題はテレビではなかなか報じられません。ましてや卵は「物価の優等生」と呼ばれ、安いことが当たり前にように報じられます。安さの裏には、飼育環境に一切配慮されないまま命を搾取される採卵鶏がいます。また、ほとんどの鶏は屠畜直前に意識喪失すらされず、想像を絶するほどの痛みのなか、苦しみ抜いて屠畜されています。
 日本の畜産動物はほとんどが拘束飼育です。「どうせ殺される命だから」ではなく、屠畜される前まではせめてストレスのない環境で伸び伸び育てるということが、どうして日本では難しいのでしょうか。畜産動物の福祉に配慮することは、食肉処理施設で働く方々の福祉にも繋がり、お肉や卵、乳製品を口にする私たちの健康面にも繋がる非常に重要なことです。

 また、日本は動物カフェやふれあい動物園の数が世界と比べても圧倒的に非常に多く、多種多様な動物が扱われています。そこで飼育される動物の多くは、生態や適正な飼養環境等を考慮されないまま展示されていることが専門家の調査により分かっています。
 それだけでなく、こういった展示は野生動物の乱獲や密猟にも繋がっており、それにより個体数が減っている動物も多数いるのです。動物の福祉を無視し、犠牲にしてまでも、人間の娯楽を優先する必要があるのでしょうか。人間の飼育下にいる動物は必ずしも幸せであるとは限りません。「可愛い」の裏側には、数多くの動物の犠牲があるのです。この子たちはどこから来たのか、この飼育方法で本当に幸せなのか、ぜひ疑問に思うことから始めてみてください。

 日本人は思いやりがあって礼儀正しい。本当にそうでしょうか?動物の福祉に配慮しない国のままでいいのでしょうか?

海外のような動物福祉に配慮した規制や施策を講じるためには、何より国民の皆さんの声が重要です。ぜひ日本の動物福祉に対する意識の低さを知っていただき、周りの人に広げていただくなど、私たちと共に声を上げてください!動物にも優しい国を目指しましょう。

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