「生態系被害防止外来種リスト」におけるイエネコの「防除推進外来種」への位置づけに関する要望書提出(2026年7月)

要望書提出

本日(26年7月31日)、環境省自然環境局長と野生生物課 希少種保全推進室室長、外来生物対策室室長、動物愛護管理室長とご面談いただき、「生態系被害防止外来種リスト」におけるイエネコの「防除推進外来種」指定ついて、24の動物愛護団体と個人からご賛同いただいた連名の要望書を、NPO法人動物実験の廃止を求める会(JAVA)と共に提出してきました。

 

我々の要望内容は

  1. 「イエネコ」を防除推進外来種に指定すると、現場では猫の殺処分や錯誤捕獲が発生するおそれがある。
  2. 「駆除目的の捕獲」は、動物愛護管理法の改正趣旨や国会附帯決議に反する運用となる可能性があること。
  3. 「外来種」「防除」という言葉から、国民が「駆除してよい動物」と認識してしまい猫への虐待や違法な殺傷を助長するおそれがあること。
  4.  希少種保護や感染症対策の必要性は認める一方で、「イエネコ」の指定ではなく、適正飼養の普及啓発や地域猫活動の推進によって課題解決を図るべきであること。

 

以上の理由から、「イエネコ」を防除推進外来種リストから除外するよう要望してきました。

 

局長からは、今回の件に関しては、かなり誤解を生むような形となってしまい、ご迷惑をお掛けしている事をまずはお詫び申し上げたい。また、パブリックコメントを含め沢山の方々からご意見を頂戴している。今回の改定では、従来のリストに載っているノイヌ、ノネコ、ノヤギなどの表記を、全て種の名前で統一する事となり、ネコの場合は学名の和名である「イエネコ」にした。それが誤解を生んだ。実際対象としているのはノネコである。とのご説明がありました。

 これに対し、私たちからは、

  • 「生体系被害防止外来種リストの見直しに係る検討会」の議事概要には、「ネコ問題の主役はノラネコだが、これが含まれないことになるのが一番の問題」「ノラネコを除外してしまっては実効性が失われる」といった委員の意見もあった。自治体の動物行政の担当者や、現場を知る動物愛護団体などが入らない、特別な考えしか持ち合わせてない人物だけで話し合うのは議論ではないし、世の中に大きな混乱も招く原因になる。
     
  • 2023年に行われた沖縄やんばるアクションプランの会議資料(質問に対しての環境省の答え)には、そもそも猫以外に希少種の生息数に影響を及ぼしている要因として、外来種、ロードキル、違法捕獲、山林開発などさまざまあるが、これらの影響の度合いを具体的に示すことは困難だという見解だった。例えノネコであっても猫との因果関係は今もなお不明である。
     
  • 現在、団体譲渡をすることにより殺処分は免れている地域もあるが、輸送費、医療費、譲渡に関する全てが団体任せであるため、団体にも予算をつける事をお願いしたい。
     
  •  昨今、事件になるほどの動物愛護団体の多頭飼育崩壊があとを絶たない中、これ以上団体に負担を与えるようなことはせず、捕獲して移動ではなく、TNRに力を入れるべき。なぜならTNRの事業効果を検証公表している自治体もある。
     
  • Evaの電話での問い合わせに対して、環境省は「殺処分はしない」と説明しているが、環境省のホームページ「日本の外来種対策」の防除の説明には「殺処分」も含まれている。また、アカミミガメやアライグマなどさまざまな外来種についての「防除の手引き」を発行しているが、そこには殺処分も盛り込まれている。こうしたことから「防除」に殺処分が含まられないとは考えられない。
     
  •  捕獲後に飼い主に戻されたらそれで良いという話しではない。他人の飼い猫を捕獲して連れ去る行為には違法性がある。また、捕獲は猫の心身に負担を与えるもので、被害届けを出す飼い主も現れてもおかしくない話。
     
  •  局長の「飼い猫と野良猫は捕獲の対象外で、ノネコだけが対象という」説明に対し、屋外にいる飼い猫や野良猫とノネコの区別がつかないことは環境省も認めている。実際、奄美、やんばる、南大東では、飼い猫が多数捕獲されている。
     
  •  譲渡はこれまで愛護団体に押し付けてきた。それはあってはならない。捕獲された猫を受け入れている愛護団体は、彼らの活動地域にも多数、里親を必要とする猫がいるにもかかわらず、奄美などの猫の命を何とか助けようと引き取っているわけである。そのほか、遠方への輸送は猫の心身に負担をかけるといった問題があったり、人に馴れないなど譲渡には向かない性格の猫もいる。そうしたことも考慮するとTNRが最善である。
     
  •  局長の「室内飼育をもっと進めて、猫の区別をつけやすくする」といった発言に対して、室内飼育には、病気や虐待などから猫を守ることができるメリットがあるが、屋内に閉じ込められるのがどうしても苦手な猫もいる。また、室内飼育するには室内の広さが十分でない場合もあったりなど、様々なケースがあるので、強制したり、「外に出したら捕獲対象になる」と飼い主を脅すようなことはやめてもらいたい。
     

 という事を伝えてまいりました。

 なお、本件については、報道後7月頭に環境省への問い合わせを行うとともに、要望書への連名についてお付き合いのある関係団体への呼びかけや、環境大臣との面談に向けた調整を進めてきました。大臣との面談は実現しませんでしたが、太田昭宏元衆議院議員のお力添えによる環境省との面談実現と、本日ご同席いただいた輿水恵一衆議院議員に心より感謝し、今後も、関係機関と意見交換を重ねながら、より良い制度となるよう働きかけを続けてまいります。(2026年7月31日)

「生態系被害防止外来種リスト」におけるイエネコの「防除推進外来種」への位置づけに関する要望書提出
「生態系被害防止外来種リスト」におけるイエネコの「防除推進外来種」への位置づけに関する要望書提出
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